文化祭で学んだ経営 早大学院から最年少上場社長に
村上太一・リブセンス社長が語る(上)
高校に入ってからのビジネスに近い経験というと、文化祭の運営委員をやったことでしょうか。毎年秋に開催し、2日間で1万人以上が来場する一大イベントで、時間をかけて準備をします。1年と2年のときは主にステージ担当をやり、3年のときは副委員長として全体運営に携わりました。ステージ担当は出し物を企画・運営する役割で、バンド演奏やダンス、ものまね対決といったプログラムを考えました。
文化祭で人や組織の動かし方を学ぶ。

早大学院の文化祭では運営委員を務めた(村上氏提供、一部画像を加工しています)
ほかにもパンフレットを作ったり、屋台を出したり、会場を設営したり。お金の管理やスケジュール管理、先生との交渉や根回しなど、会社経営にも通じるような様々なことを学ぶことができました。特に、メンバーの得意なことを把握して、だれをどの担当にするかを決めていくなど、人の配置は勉強になりましたね。
印象に残っているのは、運営委員のみんなで「あと何日だ」というような歌詞の歌を毎日帰る前に歌ったことです。一種の儀式のようなものですが、意外にそういうことが一体感をつくるには大事なんだなと思いました。そして何よりも、みんなで何かをつくり、来場者に喜んでもらうことは今のビジネスにも通じる原体験となりました。一緒に活動した仲間とはずっと関係が続いています。
高校時代、もう一つ起業に役立ったのが、本を読める環境です。生徒が希望すれば、学校が本を買って図書館に置いてくれるのです。たしか、早大学院の蔵書数は全国の高校でもトップクラスだったと記憶しています。私がよく読んだのは、やはり起業家の本ですね。京セラ創業者の稲盛和夫氏の「生き方」とか。文化祭のためにデザインの本なども参考にしました。だいたい、年50冊くらいは読んだと思います。
ほかにも、起業するには簿記の知識が必要ではないかと思い、クラスの友人と一緒に勉強し、簿記検定2級を取得しました。また、ネット関連のビジネスに関心があったので、システムアドミニストレータの資格も取得しました。大きな声では言えませんが、授業より起業につながる勉強に力を入れていましたね。