変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

――パソコン1台を手に街で仕事をするノマド(遊牧民)ワークが、働き方改革で改めて注目されています。本田さんは、ノマドという言葉がそれほど知られていなかった12年に「ノマドライフ」を書き、17年には続編ともいえる「モバイルボヘミアン」(四角大輔氏と共著)を出版しました。ノマドワークをどう実践してきたのでしょうか。

ノマドは、パソコンを使ってカフェで仕事をすることと同義ではない

ノマドは、パソコンを使ってカフェで仕事をすることと同義ではない

「僕自身は、いまはノマドという言葉を使っていません。17年に出した本のタイトルにもノマドは入れなかった。ノマドというのは、物理的にも精神的にも縛られない自由なライフスタイルの概念で、その一部としてノマド的な働き方があると、僕は考えています。でも世間では、ノマドはカフェでパソコンを使って仕事をするのと同義語のように使われていて、単なる仕事のテクニックの話に矮小(わいしょう)化されてしまっている。だったら使うのはやめようと思いました」

仕事場、昔はカフェ 今は…

「現実に、今の僕の働き方は一般的なノマドワークのイメージとは、かけ離れています。昔は、そういう働き方をしていた時期もありました。もともと机にじっと座って仕事をするのが苦手なので、若いころはよく山手線の車内やスターバックスなどで仕事をしました。でも、それはあくまで、そうしたほうが集中して仕事ができるからなんです。通勤時間を節約しようとか、ワークライフバランスを考えてというような動機ではなかったのです」

「今、仕事はカフェや自宅では、ほとんどしません。主な仕事場は、飛行機や電車、タクシーの中です。移動中が一番、集中できます。移動中に仕事を済ませてしまえば、別のことに使える時間が増えます」

「それを可能にしたのがスマートフォン(スマホ)です。今は、日常の仕事の9割はスマホで済ませています。相手との連絡はもちろん、企画を考えたり文書を書いたりするのもスマホです。スマホひとつあれば足りるので、ふだんはバッグも持ち歩きません。パソコンは一応持っていますが、自宅に置きっぱなしで、めったに開きません。役員をしている会社の会議には、必要ならスカイプを使って参加します。それなら世界中どこからでも参加できます」

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