人事評価は期末だけ その会社であなたは成長できるか
20代から考える出世戦略(40)

写真はイメージ=PIXTA
あなたは自分の上司を信頼しているでしょうか? 単純に「あなたの上司を信頼できますか?」と聞くのではなく、人事制度とからめて質問した場合、上司の信頼度は極端に下がることがわかっています。それは会社の健全度ともつながる話です。今いる会社で頑張るにしても転職するにしても、まず自社の健全度を確認してみてはいかがでしょう。
上司は部下を理解できていない?
部下から見た上司への信頼度を確認する質問は、ストレートに「あなたの上司を信頼できますか」というものではありません。たとえばセレクションアンドバリエーションで行うアンケートでは、こんな質問をします。
「昇格判断に際して上司推薦が必要となります。そのことについてどれくらい納得できますか?」
このような質問をすると、不満を訴える方がとても多くなります。ある会社では、上司による人事評価や昇格推薦に対して満足している人が約20%であったのに対し、不満を感じている人はおよそ50%にもなりました。
なぜ人事評価とからめて質問すると不満が出てくるのでしょう? その際の理由としては以下のようなものがあげられていました。
「全ての仕事ぶりを見られているわけでもないので、評価の妥当性がない」
「最初から結果ありきで評価されている場合が大半だ」
これらの意見はまだわかるのですが、中にはこんな意見もありました。
「私は上司との関係が良くない。だから上司の裁量で評価されることに納得がいかない」
組織は役割でできている
このような回答結果が多く出ている場合、組織が健全に機能しているとはいえません。なぜなら、組織における仕事というのは、あらかじめ定められた役割に沿って行うものだからです。そしてその役割を決めるのは上司です。
たとえば居酒屋という組織の中には、調理担当やフロア担当など役割が決まっています。そしてそれらの役割は店長が決めることが一般的でしょう。
しかしもし店員が店長の指示に従わず、フロア担当のはずなのに調理を始めてしまったり、調理担当なのに店の前で客引きのパフォーマンスをしてしまったりするとどうなるでしょう。居酒屋という組織においてもっとも重要な、お客様、が不満を多く抱えてしまうことにもなりかねません。そうなると店は破綻してしまいます。