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仕入れた商品を販売し、何日間で現金化されるかを示す「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」がマイナスというところに着目し、たとえ赤字であっても豊富な資金を投資に回すことができるのがアマゾンの経営の特質と指摘する。この資金をベースに巨大な物流倉庫ができ、人工知能やドローン、自動運転などの最先端技術の開発を進めることができるという。

何でもそろう電子商取引(EC)企業というのが一番見えやすいアマゾンの顔だが、利益面での稼ぎ頭はクラウドサーバー事業だというところまでは、アマゾンに関心を持っている人にはすでに常識だろう。そこからのさらなる広がり、その影響が及ぶ産業の広がりまでを視野に収めて、とにかくわかりやすく読み解いて見せたのが本書の功績だ。

アマゾン本相次ぐ

冒頭に上げた4社すべてを扱った『the four GAFA』と本書に加えて、アマゾンの戦略と同社に対抗する企業の戦略をたどりながら「アマゾンに殺されずに生き残る方策」を考えた城田真琴『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞出版社)も8月下旬店頭に並び、アマゾン本のにぎわいを彩る。「決済サービスへの進出などもあり、金融街の大手町でもアマゾンへの関心が高まってきた」と、ビジネス書を担当する西山崇之さんはみる。

1位、2位に業界研究本

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)会社四季報業界地図 2019年版東洋経済新報社著(東洋経済新報社)
(2)日経業界地図 2019年版日本経済新聞社著(日本経済新聞出版社)
(2)重久吉弘の「エンジニアリング一筋に」村田博文著(財界研究所)
(4)母の教え 5『財界』編集部著(財界研究所)
(5)amazon 世界最先端の戦略がわかる成毛真著(ダイヤモンド社)
(5)デジタル資本主義森健、日戸浩之著(東洋経済新報社)
(5)ゼロトレ石村友見著(サンマーク出版)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2018年8月27日~9月2日)

1位と2位に、毎年この時期に発売される業界研究本が入った。同率2位と4位の本はまとめ買いが入ってのランクイン。同率5位が3冊あり、そのうちの1冊がここで紹介したアマゾン本だ。他の2冊は2018年4月刊の野村総研による未来予測と、同5月刊のダイエット本。ダイエット本は著者のテレビ出演で売り上げを伸ばした。

(水柿武志)

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