「孫さんを超える」若者集う財団、2期生も異才ぞろい

孫正義育英財団が設けた「Infinity」(東京・渋谷)
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が設立した孫正義育英財団が、優れた才能を持つ若者を発掘・支援するプロジェクトの2018年の対象者を選んだ。選ばれたのは、7歳から26歳の51人。17年選出の1期生のなかには「孫さんを超える」と宣言する高校生もいたが、今回の2期生も負けず劣らずの「異才」ぞろいだ。
「スーパーコンピューターなどの端末もそろっているし、食事も無料でできる。学校より快適です」。JR渋谷駅から歩いて10分ほどのビルに、財団が提供する「Infinity」がある。8月30日に訪ねると、そこには10代から20代の男女10人前後の姿があった。孫財団が支援する異才は1期と2期合わせて145人で、下は小学生から上は大学院生や社会人まで。この施設を自由に利用できるほか、様々な分野の専門家の講演会やネットワーキングイベントに参加できる。必要と認定されれば、留学や研究費用の支援も受けられるのが大きな利点だ。2期生の4人に聞いた。

「とにかく早く起業したい」という大塚嶺さんは中学生
早熟の「プログラマー」、めざすは起業
「孫さんを超えられるかどうかは分からないけど、とにかく早く起業したい」。都内有数の進学校、渋谷教育学園渋谷中学校に通う大塚嶺さん(13)はこう話す。顔にはまだあどけなさも残るが、プログラマーとしては実績もある。視力が弱った曽祖父を見て、高齢者や子どもでも楽に文章を読めるアプリの開発を決意。国主導の天才プログラマー発掘事業「未踏」の年少者版である「未踏ジュニア」に選ばれたばかりか、そのなかで卓越した成果を上げた「スーパークリエータ」として認められた。当時、最年少となる小学6年生での認定だった。