変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

「今この場面で自分をよくみせなきゃ」「ここでこうしたらこう思われるのでは」といったその場限りの心配がなく、親もそうですが、長い目でじっくり見てくれる先生や友人を持てたのがよかった。最初は足りないと思われても、その先もずっとちゃんと見ていてくれる。焦らなくても、こんな私でも大丈夫。見捨てずに付き合ってくれる人がいる。これは大きな自信になりますよね。「自分なんかダメだ」と思わずにいられたことが、ものすごく大きな支えになりました。あの学校で自分のベースを作ってもらった気がします。

(郵便不正事件で無実の罪で逮捕・勾留されるという)あんな大きな出来事があってマスコミに出て「きっとあいつは悪いやつに違いない」「あの人あんなことやったの?」と思う人がたくさんいても、「それは違うよね」と分かってくれる人がいる。そういうことがあっても、じっくり付き合っていけば自分のことをちゃんと分かってもらえる。この自信に支えられました。もしも子どものころから「あの人も、この人も去っていった」という経験ばかりしていたら不安があったかもしれないけれど、数は多くなくても長続きする落ち着いた関係をもらえたのが、よかったかもしれませんね。

高校卒業後は地元の高知大学の経済学科に進んだ。

大学では80人中、女子は5人。性格はまったく違うのですが、5人しかいないからすごく仲良くなりました。小規模な学校だから先生との距離も近く、勉強会や読書会にも付き合ってくれる。ここが自分にとって、人間関係を築く次のステップになりました。

就職してからは嫌でも2~3年ごとに新しい環境に放り込まれ、先生役になって教えてくれた現場の人たちとの関係を少しずつ積み重ねられました。振り返ってみると、中学から細く長く続く友人や先生との関係があり、大学でその線が何本か増え、裏切られずに安定した人とのつきあいを持てた。学生時代の、この一種の成功体験が、後の関係づくりにとても役立ったと思います。ずっとみんなの話を聞くというところから入れたのもよかったかもしれない。自分のキャラも少しずつ前向きになったかな。今考えてもずいぶんゆっくりで、長いことかかりましたね。

(ライター 高橋恵里)

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