「考えさせる保育」の原点 駒崎氏育てた千葉・市川高
駒崎弘樹・NPO法人フローレンス代表理事が語る(上)

駒崎弘樹・NPO法人フローレンス代表理事
保育事業を展開するNPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事(39)は、千葉県市川市の中高一貫進学校、私立市川中学高校の出身。子育てや働き方、人権など幅広いテーマに関する積極的な発言でも知られ、ときにはネット上で炎上することもあるが、そうした批判を恐れず自分の考えを貫く姿勢は、中高時代の経験も大きく影響しているという。
坊主頭になるのが嫌だった。
家が東京都江東区で、普通ならそのまま近所の区立中学に進学するはずでした。しかし、その中学校が、当時すでに非常に珍しい存在になっていた、坊主頭強制の学校だったのです。通学も全員ジャージ着用がルール。小さいころからルールに縛られるのが大嫌いな性格だった私は、そんな学校には絶対に行きたくないと思っていました。
そのことを13歳上の姉に話したら、姉もそんなところに行く必要はないと言ってくれ、私立の中高一貫校というのがあるということを教えてくれました。
親も賛成してくれたので、中学受験することを決め、小学5年生から塾に通い始めました。当時は、難関中学の入試問題をクイズ形式で紹介するテレビ番組の影響などで中学受験ブームが盛り上がっていた時期でしたから、もしかしたらそれにも影響されたかもしれません。学校の授業は退屈でしたが、塾の授業は知らないことをたくさん学ぶことができ、とても楽しかった記憶があります。
しかし、受験では、第一志望だった都内の私立中学に不合格。一足先に合格していた市川中学に行くことになりました。
中学生活は窮屈だった。
市川中学高校は、中高一貫校にもかかわらず、中学と高校では学校の様子や雰囲気が大きく違いました。
市川中学高校の中高共通した教育方針の一つに「第三教育」というのがあります。家庭を第一の教育の場、学校を第二の教育の場と想定、それらに対して自ら学ぶことを第三教育と定義し、自発的な学習、自己啓発の大切さを説いたものです。