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「そうやって全員で作り上げたのが、ビジネス・リカバリー・プランです。原材料の中身や原産国、製造方法などの情報をホームページ上で開示し、さらに商品情報をスムーズに見ることができるよう、商品のパッケージに印刷されたQRコードをより目立つようにしました。店舗の大改装や、無料Wi-Fiの導入なども進めました」

よいリーダーと偉大なリーダーとの違い

チームの力を最大限引き出すことがリーダーの役割

チームの力を最大限引き出すことがリーダーの役割

――16年に売上高、利益とも反転し、17年には回復基調が鮮明になりました。

「いくらリーダーやマネジメントチームが素晴らしい計画を作っても、社員やスタッフがその計画を支持し一丸となって実行しなければ、計画は単なる紙切れにすぎません」

「そこで次にしたことは、計画実行に向けチームの一体感を高めることでした。16年、約4千人の社員、フランチャイズオーナー、店長、納入業者を一堂に集め、新スローガン『パワー・オブ・ワン』を打ち出し、一体感強化のための様々な取り組みを始めました。これが結果的に、業績回復の最大の要因になったと思います」

――理想のリーダー像を教えて下さい。

「リーダーはやはり、目標を立てて戦略を描くだけでなく、目標達成のためにチームをまとめ上げ、チームの力を最大限引き出すことが大切だと思います。具体的には、教育の場を用意して能力開発を応援し、キャリアアップの機会を作り、失敗を許容し、常に鼓舞し、士気を高めることが大切です」

「ビジネスリーダーを目指す人が行くビジネススクールでは、どうやって素晴らしい戦略を描くかは教えてくれますが、どうすればその戦略を実行するためにチームを一丸にできるかまでは、あまり教えてくれません。また、国や地域による文化の違いなど、やはり戦略を実行するために大切なことも教えてくれない。それらはやはり、経験を通じてしか、なかなか学べないことだと思います」

「チームが一丸となって高いモチベーションで気持ちよく仕事ができれば、みんな、より一生懸命、仕事に取り組むようになります。それができるかどうかが、よいリーダーと偉大なリーダーとの違いではないでしょうか」

サラ・L・カサノバ
 カナダ生まれ。1991年マクドナルド・カナダ入社。2004年、日本マクドナルド・マーケティング本部長。マクドナルド・マレーシアなどを経て、13年、日本マクドナルド代表取締役社長兼CEO。14年から現職。

(ライター 猪瀬聖)

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