仕事の会話は「対等」がカギ 下手に出ても出世しない
20代から考える出世戦略(44)
こちらがいつまでも丁寧にだけ接していると、相手はそれを「下手に出ている」と、勘違いしてしまうことがあるのです。そうなると、最初は丁寧に回答してくれいていた方もやがてぞんざいな回答をするようになっていくことが多いのです。椅子の座り方も、後ろにそりかえるか、少し斜めになったりします。
そしてこちらが聞いてもいないようなことまでどんどん話してくれる場合もあるのですが、そこで出てくる意見はたいてい否定的なものばかりです。
これでは単なる愚痴聞きであり、前向きな改善ができません。
接し方で回答が変わる、という事実は明らかになった
インタビューの相手から建設的な意見を引き出すために、丁寧に接するだけではダメだ、ということがはっきりしました。ではどうすればいいのでしょう?
実際に私たちはさまざまな対応を試してみました。
事前にインタビュー項目を送り、書面で回答を受けてから話を聞く、ということをしてみました。けれども人によっては真面目に回答をしてくれていません。
あるいは社内の偉い人に同席してもらってインタビューしてもみました。けれども、偉い人を前にすると本音が出てきません。
グループインタビュー形式をとってみましたが、それは強い意見への迎合が強調されることが多くなりました。
もちろんどんな方法でも成功する場合もあれば、失敗する場合もあります。けれども大事なことは、「正しく本音を引き出す確率をあげる」ことです。そのためにどうすればよいかを試行錯誤するなかで、私たちは私たちなりの正解を見つけることが出来ました。
さてそれはどういう方法でしょう?
良い意見は対等な関係から生まれてくる
私たちがたどりついた、相手から「正しく本音を引き出す確率をあげる」ための方法は、対等に話をする、ということでした。
より具体的に言えば、以下のような行動をしたのです。
・しかしその後からは、基本的に笑顔は示さないようにする。
・こちらからの質問はなるべく短く話す。
・相手の回答に対しては深くうなずく。ただし下手には出ない。
・疑問に思ったことは率直に、再度質問する。
・すべてが終わった後で、心からのお礼を示す。