場を凍らせても気づかない 自己チュー人間の行動様式
タイプ3・自己中心的で相手の心に関心がない

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かかわると面倒くさい人はどこにでもいる。心理学者の榎本博明氏はその著書「かかわると面倒くさい人」(日経プレミアシリーズ)で、「何とかうまくかわす術を身につければ、心のエネルギーを吸い取られずにすむ」とアドバイスする。そのためにはまず「行動パターンやその背後で作動している心理メカニズムを知ることが必要だ」という。そこで、私たちの身の回りでよく見かける典型的な面倒くさい人10タイプを、同書から紹介する。
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場の空気を凍らせるようなことを平気で言う人がいる。
部署に戻って来るなり、
「おい、知ってるか、今度40代の管理職の大幅なリストラがあるらしいぞ!」
などと大声で言い出す。
(お前、いきなり何言い出すんだよ! ウチの課長も40代だよ、まったく……)
みんなが黙殺している理由がわからず、
「とくに実績を出してない40代の管理職を大胆にリストラするんだってよ」
などと、ダメ押しのように、ドキッとするようなことを口にする。
(おい、おい、いい加減にしてくれよ! ウチの課長、実績出してないんだからさぁ……)
課長は何食わぬ顔をしているが、明らかに聞こえている。
みんな内心ハラハラしながら、「お願いだから黙ってくれ!」と心の中で叫んでいる。
このような、どうにも察しが悪くて困る人物がいるものだ。
「この人の前でその話題はまずいだろう」とだれもが思うようなことも平気で口にするため、ギョッとさせられたり、ハラハラさせられたりする。
自分が希望していた人事異動が実現したときなど、だれかれ構わず得意げに吹聴して回る。逆に望まない人事異動を示され落ち込んでいる人もいるはずなのに、そんなことにはお構いなしだ。
自分がノルマを達成して得意な気持ちのときなども、
「今回は楽勝だったなあ。景気が上向いてるし、だれだってうまくいくわな」
などと自慢げに言い、その場にノルマを達成できていない人物がいたらどうしようといった配慮などまったくない。
万一、そのような人物がその場にいて、周囲がハラハラして話題を変えようとしても、その気配を察知することなく、
「なあ、そう思わないか?」
としつこく話を続ける。