部下の本音を引き出す技 「人生紙芝居」で心つかめ
人材研修コンサルタント 中北朋宏氏

人材研修コンサルタント 中北朋宏氏
元お笑い芸人で、人材研修などのコンサルティングを手掛ける中北朋宏氏に、相手の心をつかむ「愛され対話術」を紹介してもらうシリーズ。今回は部下の本音を引き出すための具体的な手法を紹介します。
部下もあなたが上司で残念に思っている
時代とともに企業内の人間関係も変化し、現在は一人ひとりの個性を引き出すマネジメントスタイルが求められています。しかし実際は、上司から「部下が何を考えているのか分からない」「本音を話そうとしない」といった声が聞こえてきます。個性を引き出す以前に、本音すら話してもらえない状況といえるでしょう。
どうすれば上司に対して部下が笑顔になり、本音で話したくなるのでしょうか?
まず前提として「コミュニケーションは相互関係である」ということを忘れてはいけません。例えば、「部下の〇〇君は本音を言わない」と悩んでいる上司がいたとします。一方で部下は、ほぼ間違いなく「上司の〇〇さんは本音が見えない」と同様の悩みを抱えているといえます。
どうすれば笑いを交え、互いの距離を近づけることができるのか。とても簡単な手法を紹介します。それは"褒める"です。
「いやいや、当たり前過ぎて聞く耳が持てないね」と思う人もいるかもしれません。そんな方は、"褒める"の効果を甘くみています。ぜひ、大げさに部下を褒めてあげてください。実際は「猫」だとしても「虎」だと褒めてみましょう。
「パチンコ玉理論」というのを耳にしたことがあるでしょうか?
簡単に説明すると、隣の人にパチンコ玉を投げても痛くもかゆくもありません。しかし、仮にパチンコ玉でも高層ビルの上から落ちてくると、加速度がつくため致命傷になります。
すなわち、役職が上がったり、働いている年数が増えたりすることにより、自分の発言の影響力が変わるのです。「馬鹿にする」や「叱る」を「褒める」に変換するだけで、部下に与えるインパクトが大きく変化することが想像できます。