変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

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「功には禄(ろく)を、能には職を」という言葉があります。功績を上げた人には報酬を、能力のある人には重要な役職を与えよ、という意味です。スタートアップの人事評価はこれが基本原則です。「最初は給与が下がる」という認識でいたほうがよいでしょう。事業に貢献して利益を創出し、能力を発揮すればお金もポジションも後から付いてくるからです。

駆け上がる自転車と同じ、こぎ始めは厳しい

一方で、能力を発揮して結果を出せば、大企業にはないような大胆な昇給、抜てき、昇格があるのがスタートアップの魅力です。当社を通じて転職した人の多くも、最初は給与が下がるものの、2~3年後には元の会社の水準以上の給与と幹部の地位を勝ち取っています。会社にとって不可欠な人材には高い報酬を出しても惜しくないものです。

応募の面接では「スタートアップでは実績がないですし、一兵卒からで大丈夫です。責任あるポジションに就きたいですが、まずはしっかり結果を出してから相応の評価をいただければと思います」と言えるのが理想ではないでしょうか。

また、「創業間もない会社は仕事がきついのでは」とも聞かれます。基本的には、スタートアップの仕事はタフだと言えるでしょう。私はよく「坂を駆け上がる自転車」に例えて話をします。止まっている状態からこぎ始めるのはペダルが重く不安定ですが、徐々にスピードアップし、バランスも安定していきます。そして十分なスピードが出れば、強くこがなくても走り続けることができます。

スタートアップにも成長段階があります。

(1)創業間もないシード・アーリーフェーズ

(2)サービスを市場投入していくミドルフェーズ

(3)拡大期のレイターフェーズ

(1)の段階では仕事量はかなり多くなるでしょう。フェーズごとに仕事の量や内容、社員の意識などが異なりますので、給与以外の要素も含めてどのフェーズの会社に転職するかを検討する必要があります。

では、どのような人がスタートアップへの転職に向いているのでしょうか。まず、当社に登録する人の多くは大企業や戦略コンサルティング会社、監査法人などに勤務する現役ビジネスパーソンです。学歴も東大や早慶といった有力校の出身者が多い。こうした人たちが社会的なステータスや厚待遇を捨ててまでスタートアップを目指す理由は以下の2つに集約されます。

(1)裁量が欲しい

(2)共感できるビジョンを持った経営者のもとで働きたい

自律した人材は心理学者マズローの欲求5段階説でいう最上位の「自己実現」に向けて動き出します。有名企業などの組織に属することで得られる社会的欲求では飽き足らず、「自身の能力を発揮して人の役に立ちたい、夢を追いたい」という自己実現欲求に向かっていくのだと考えられます。相談に来る人の中には、やむにやまれぬ思いが募り、転職を飛び越して起業に踏み切る人もいます。

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