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ただ、強い思いだけでは転職がうまくいくとは限りません。実際にスタートアップで活躍している人に共通する要因として以下の3つが挙げられると思います。

(1)原因自分論

(2)創意工夫する

(3)ポジティブマインドと行動力

スタートアップはそもそも、誰もやっていない事業に乗り出すわけですから、失敗する可能性も高い。そこでは何があっても他人のせいにせず、当事者意識をもってことを進める覚悟が必要です。まずはやってみる。できない理由を考えるのでなく、どうすればできるかを考えるタイプの人が求められるでしょう。

人生100年時代を生き抜くキャリア戦略

さて、人生100年時代。長く働くという命題を突き付けられた我々はどんな働き方をすればよいのでしょうか?

戦略的にキャリアを構築していくためには「改革する側に回れ」というのが私のメッセージです。世の中の会社は「改革される側」と「改革する側」に分類できるのではないでしょうか。例えば、銀行はフィンテック企業の攻勢を受け、事業の再構築を迫られています。「伸びている業界に行きたい」という人もいますが、それだけでは不十分です。介護市場は伸びていますが、人手に頼る無理な労働環境を放置していれば、いずれ改革する企業が現れ、プレーヤーの顔ぶれが変わる可能性もあります。

あなたが採用担当であれば、改革した側の会社で働いていた人材について、そこで得た経験に価値を感じるはずです。

Kさんは27歳のとき、大手通信会社のエンジニアを辞め、クラウドソーシング企業の創業メンバーに参画。働き方改革に大きく貢献したことを評価され、成長著しいスタートアップ企業の経営幹部に引き抜かれました。この間わずか5年。改革側に回ることで貴重な経験を積み、キャリアのアップトレンドに乗ることに成功しました。

冒頭で紹介した大手食品メーカーのYさんも、革新的技術を持つ大学発スタートアップに転じたことで改革する側に回りました。2年後には60才を超えますが、地方のスタートアップでの経験や大学などアカデミア関連の人脈を得て市場価値は大きく上昇することでしょう。

スタートアップは経営が不安定で、将来性も不確実ですので、すべての人に向いているキャリアパスではありません。ですが、今の会社でこのまま頑張っても将来に役立つ経験が積めず、市場価値が上がらないのではないか、と悩んでいる人には、スタートアップという選択肢もあると伝えたいと思います。しっかりとした準備をして適切なスタートアップを選ぶことで、大きな組織では得難い経験や充実感を得ることができるでしょう。

藤岡清高
 1999年東京都立大学経済学部卒、住友銀行(現三井住友銀行)入行。2004年慶応義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。同年ドリームインキュベータ入社。ベンチャー企業支援に従事。11年4月、転職サイト運営のアマテラスを創業し、代表取締役社長に就任。

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