不要な言い訳ばかり 保身が過ぎる上司は成功の壁
タイプ4・自己防衛意識が異常に強い

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かかわると面倒くさい人はどこにでもいる。心理学者の榎本博明氏はその著書「かかわると面倒くさい人」(日経プレミアシリーズ)で、「何とかうまくかわす術を身につければ、心のエネルギーを吸い取られずにすむ」とアドバイスする。そのためにはまず「行動パターンやその背後で作動している心理メカニズムを知ることが必要だ」という。そこで、私たちの身の回りでよく見かける典型的な面倒くさい人10タイプを、同書から紹介する。
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自己防衛意識が異常に強く、不必要な言い訳が多かったり、保身的な姿勢が強い人物も面倒だ。
このタイプの部下がいると、何かにつけてイライラさせられる。
上司としては部署全体の仕事の状況を把握しておく必要があるため、声をかけて仕事の進行状況を尋ねると、
「すみません、急いでやりますから、もう少し時間をください」
と言う。
「いや、べつに急かしてるんじゃなくて、どんな状況か、教えてほしいんだ」
と言い直しても、
「すみません、顧客からの問い合わせで手こずっちゃって、ちょっと遅れてるんです」
と言い訳をするばかりで、進行状況を軽く確認するにも無駄に時間がかかってしまう。
仕事の段取りについてちょっとわからないことがあり、
「どういうことなのか教えてもらえる?」
と説明を求めたときも、
「いや、私はそれはやはりまずいと思ったんです。で、そう言ったんですけど、急いで進めるべきだっていう意見が強くて……」
などと、しどろもどろになる。こちらは非難するつもりはなく、事実を確認したいだけなのだが、言い訳ばかりで話がなかなか先に進まず、どうにもまどろっこしい。
仕事を振られるとまず渋るのはなぜ?
このタイプは、あからさまに「セルフ・ハンディキャッピング」をすることもある。
セルフ・ハンディキャッピングとは、印象操作の一種で、万一失敗したときに無能なヤツだと思われないように、あらかじめ自分にハンディを負わせることである。