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ジョブ型雇用が増えるもう一つの理由はダイバーシティー(多様性)の広がりだ。育児や介護をしながら働く社員が増え、勤務地や時間を、働き手のニーズに応じて限定しつつ、能力を最大限発揮してもらう必要性が高まっている。日本で働く外国人も増えており、職務の内容や成果に対する評価を明確にするニーズも高まっている。

自分のキャリアをどう考えるか。大学生も社会の変化への対応が必要に(会社説明セミナーに向かう就活生)

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ジョブ型雇用が増えると、社員教育のあり方も変える必要がある。実際、多くの企業では「OJT(職場内訓練)だけでなく、自分の能力は自分で身に付けるという自己啓発を促す施策がトレンドになりつつある」という。研修についても、個人情報保護やハラスメントなどの集合研修は残るものの、eラーニングなどにより、個人で選べる研修が増えている。社員一人ひとりが異なる強みを持つことは、多様なアイデアが集まり、イノベーションを生み出しやすい環境づくりにも役立つとの認識が広がっているという。

より細かい職種ごとの求人が主流に

もちろん、正木氏も一気にジョブ型への移行が進むとは見ておらず、「当面はメンバーシップ型との併存が続くのではないか」とみる。製造業を中心に、OJTでその企業独自の技術を継承していくことが競争力につながっている面もあるからだ。

このため、採用についても新卒一括方式から一気に欧米のように通年方式に切り替わるとはみていない。経団連の就活ルール廃止を受け、政府が主導してルールを決めるようになったが、2021年春入社の学生については現行の日程を維持した。経団連としても「現在は過渡期であり、混乱を招かないためにも当面はルールが必要」との立場だ。

とはいえ、企業側の雇用に対する考え方が徐々に変わるなかで、学生や大学にも「キャリアについての意識変革が求められるのではないか」と正木氏は指摘する。一つは、より専門的な知識・能力の習得だ。これまでも理系では専攻した分野の知識を生かせる企業に就職するのが一般的だったが、今後はより細かい職種ごとに採用が進むとみる。

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