ビジネス書35冊をイラスト化 使える読書ガイドの実力
八重洲ブックセンター本店

上りエスカレーターを2階で降りた正面の特設ワゴンに陳列する(八重洲ブックセンター本店)
ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。ビジネス書の売れ筋の王道を行くこの店では、経済予測本が年末恒例でよく売れている。その一方、頻繁に開いた著者イベントで取り上げた本がまとまった売り上げになっている。そんな中、書店員が注目するのは、経営学修士(MBA)の教授が豊富なイラストで最新のビジネス書や定番の経営書を読み解いてみせた本だった。
■本を使いこなす方法とは?
その本はグロービス『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』(荒木博行執筆、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。執筆者となっている荒木氏は、著者のグロービスが経営するグロービス経営大学院の教授で、戦略系のコンテンツ開発や授業を担当している。自身の読書法を披露しつつ、ビジネス書35冊の内容を、タイトルにある通り「見てわかる」ように紹介したのがこの本だ。
荒木氏はまず「まえがき」でかつての問題意識を告白する。「本をたくさん読んでいる割には使いこなせていない」。そこを克服するために、手書きノートやメモ帳アプリなどを駆使して読んだ本から使えそうな視点を抜き取り、記憶にとどめ、ビジネス実務で使えるようにしてきた。さらに最近になって活用し始めたのが、イラストなのだという。これが記憶の歩留まりをあげるのに効果的で、フェイスブックで紹介したところ好評だったため、この「書籍のイラストまとめ」の本が生まれた。横長の変わった判型になっているのは、イラストを生かすためだ。
最近のベストセラーが目白押し
1つの本から大事なポイントを3つ抽出し、それぞれのポイントを1枚のイラストにまとめるという構成だ。本の概略を紹介する最初のページ、3つのポイントをまとめたページに続いて、イラストが3枚紹介され、最後のページで、押さえておきたい一節と読後感を伴った解説がつく。1冊の本が6ページでほぼ見てわかる。