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1つは「新しいことをいったんは受け止める」。それで何ができるかと考える。重すぎたら手放せばよい。最初からできない理由を考えると、自分の可能性の芽を摘むことになる。

環境適応力はトレーニングで身に付く

自分の得意分野を自覚することが大事

自分の得意分野を自覚することが大事

こうした考え方を身に付けたのは、ヤフー時代にイー・モバイル社長などを務めたエリック・ガン氏(現ソフトバンク取締役専務執行役員)と共に働いた経験が大きいという。NTTドコモやKDDIといった大手通信会社に対抗するにはスピードが命だといい、「今できることは何か、これで何とかできないか、製品がないなら作れないか、とあらゆる可能性を探って活路を見いだしていた。非常に学ぶことが多かった」。

2つ目は「自分が何をすると楽しいかを知っておく」。ゼロからイチを生み出すことに喜びを感じるのか、10を100に増やすことが得意なのか。コツコツと改善するのが好きなのか、いろんなことに首を突っ込みたいのか。学生であれば、インターンをいろいろ受けるのがよいと勧める。

「好きなこと、ワクワクすることをしているときに人は最大の能力を発揮できると、身をもって学んできた」からだ。ヤフーでは最年少で管理職や執行役員を経験。部下は増え、責任は年々重くなったが、モバイルの可能性を切り開く仕事の面白さは何物にも代えがたかった。さらに「今後、日本企業でも終身雇用が崩れ、個人がスキルや能力を磨き、市場で評価される時代になる。自分の得意分野を自覚することなしに、これからのキャリアは築けない」とも指摘する。

そして3つ目が「環境適応というスキルを身に付ける」ことだ。人生100年時代を迎え、誰もが一度は転職を経験する可能性が高い。「変化にうまく対応できることは、英語やコミュニケーション能力と同様に、一つのスキルになる。これは持って生まれた才能ではなく、トレーニングで身に付けられる」

具体策として、「20代のうちに一度は転職すること」を勧める。「40、50代で初めて転職となれば、リスクを感じるのは当然だろう」。若いうちなら家族や財産など背負うものも少ないし、やり直しもききやすい。1回経験しておくと、次からはある程度の想像がつく。転職が難しければ、副業や出向、あるいはボランティア活動でもいい。

自身も大学を卒業後、電脳隊を離れ、いったんは野村総合研究所に就職した。今後のキャリアを考え、大企業のビジネスの仕組みも知っておきたいと考えたからだ。当初から3年で辞めるつもりだったが、結局は10カ月で退職。短期間ではあったが、大企業とベンチャーの企業文化の違いは体感することができたという。

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