20年卒の就活、学生「厳しくなる」57% 早期化を警戒

2020年卒大学生の就職活動はどう動く?
新卒の就職活動をめぐり、選考時期などの基準を示した「経団連ルール」の廃止が注目を集めている。2021年卒までは現行スケジュールを維持することを政府が表明。売り手市場も続いているが、20年卒学生の就職戦線の見方は、19年卒と比較してどのように変化しているのだろうか。就職情報会社ディスコ(東京・文京)が18年12月に発表した調査を見てみよう。
企業の動きを警戒する学生
調査は18年11月15~26日、20年3月に卒業予定の大学3年生(理系は修士1年生を含む)1207人を対象に、インターネットを通じて実施した。
自分たちの就職戦線が、1学年上の先輩たちに比べてどのようになると思うか――。見通しを聞くと、「非常に厳しくなる」「やや厳しくなる」と答えた学生が計57.9%に上り、前年調査(49.6%)から8ポイント余り増えた。

ディスコ調べ
経団連の指針がなくなる21年卒以降を見据え「企業がこれまでと違った動きを試すのではないか」と警戒する学生が目立つという。
インターンシップなどを入り口として、早くから優秀な学生を囲い込もうとする企業は既に多い。同社が9月から10月にかけて実施した企業対象の調査でも、実際に早期化の兆しが見えるという。「さらなる早期化が進めば準備が間に合わなくなると、乗り遅れを心配する学生が少なくない」(同社担当者)。また、売り手市場でも「大手企業は別だ」と冷静に捉える意見もあった。
一方、楽になるとみている学生では、人手不足による売り手市場の継続を根拠に挙げる声が多かった。東京五輪まで需要が減ることはないと予測する意見が目立つという。担当者は「土木・建築関連など、五輪や万博開催との関連が高い業種では、インターンシップやOB・OG訪問といった場面で、社員からそのような話題を聞かされることも多いのではないか」と話す。