学んだことはすぐ語れ 転職に生きる情報人脈の築き方
エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

情報のインプット、アウトプットを繰り返し、リアルの人脈を築くことも重要。写真はイメージ=PIXTA
新年を迎え、「今年はこんな経験を積みたい」「こんなプロジェクトに携わりたい」など、キャリア構築という観点での目標を定めている方も多いのではないでしょうか。業務経験に磨きをかけると同時に取り組んでいただきたいのが、情報収集の習慣化です。今回は私自身が日ごろどのように情報をキャッチアップしているのかをお伝えしながら、将来のキャリアの可能性を広げる情報のリサーチ力の高め方について考えていきます。
キャリア構築につながるキーワードとは
転職、あるいは今後のキャリア構築を考えるとき、忘れてはいけないポイントの一つが「時代のニーズに即応しているか」です。どんなに努力して学んでも、スキルを磨いても、それらの知識や経験がこの先必要とされなくなる可能性もあります。人工知能(AI)など、進化していくテクノロジーに代替されるもの、そうでないものを見極めていく目を養う必要があるといえるでしょう。
一方、業種の垣根を越えて新規事業に取り組む動きが活発化している中、自身のキャリアがまったく異なる分野で生かせるケースも増えています。それに気付いた人は、何十年も身を置いた企業で、例えば事業撤退などにより居場所を失ったとしても、異業種の企業から請われて転職を成功させていたりします。
転職を検討する際、転職エージェント側から提示された選択肢の中から選ぶだけでなく、「今、どんな業界、どんな課題を抱えている企業で自分の経験が生かせそうか」を自分で想定できるようにしておいてください。さらには、エージェントに対し「自分はこんなテーマに興味があるが、それに注力している企業はどこか」「自分がベンチマークするのは○○社、○○社などだが、これらに類する企業の求人はあるか」といったように、具体的なキーワードの投げかけができるように感度を高めておきたいものです。
時代のニーズの変化と自分のキャリアをどうマッチさせていくか。それをつかむには日ごろから「リサーチ力」を高めておくことが大切です。私も転職エージェントとして、新たなチャレンジをする企業とキャリアを生かしたい転職希望者を適切にマッチングさせるため、最新情報の収集を続けています。