職場の雰囲気を明るく! 笑いを誘う「返し」の言葉
人材研修コンサルタント 中北朋宏氏

人材研修コンサルタント 中北朋宏氏
コンサルタントという仕事柄、取引先の会社で打ち合わせをすることがよくあります。会議室へ向かうまでに、社員の方々が働いている職場を通る場合、私はいつも社員の方々の表情や、雑談をしているかどうか、職場全体の雰囲気はどうかを見て会議室へ入るようにしています。
社員の方々が、表情豊かに笑い、飲み物を片手に話しながら仕事をしている会社も多くあります。一方で、社員同士で話すことがほとんどなく、パソコンを打つ音だけが室内に響く会社も中にはあります。
後者の取引先と話をすると大抵、次のような課題を聞くことになります。
・A部署とB部署がギクシャクしている
・職場で冗談が言える空気ではない
・若手が辞めてしまう
では、どのようにすれば笑いが絶えない、働きがいのある職場をつくることができるのでしょうか? 人と人をつなげるハブになるためのスキルをお笑いの観点からひも解いていきましょう。
「返し」には3つのパターンがある
この連載の「人気番組『すべらない話』に学ぶ 会議の盛り上げ方」でも紹介した通り、上記のような課題がある会社では、愛のないイジリや罵声が横行していることがあります。例えば上司や先輩から「お前は本当にバカだな」「使えないやつ」「だからダメなんだよ」などのセリフをよく耳にします。当たり前ですが、これでは職場もギクシャクしますよね。
そんなギクシャクした職場を変えるのに有効なスキルが「返し」です。
「返し」とは、お笑い芸人が使うスキルの一つで、言われた言葉に対して、そのまま返すのではなく「その場の空気」「浴びせられた言葉」「相手の傾向」に合わせて言葉を返し、笑いを生み出す技術のことです。例えば、お笑いコンビのハリセンボンの近藤春菜さんがよく似た俳優に間違われて「角野卓造じゃねーよ」と返すギャグもその一例です。