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もう一つの特色は「教養を重視する教育方針」だ。千葉県内では有数の進学校として知られるが、教育カリキュラムはオーソドックス。現在は理数科1クラスと普通科8クラスで、普通科は文系と理系に分かれるのは3年生から。最近は公立校でも2年生から文理に分かれる高校も多いが、同校は全員が理科4科目をすべて履修する。

アジアのダイナミズムを体感させる

「生徒には本物の学力を付けてほしい」と安藤氏。百人一首も年末年始だけ覚えるのでなく、1年かけて少しずつ学んでいく。ともすれば生徒も教員も大学進学がゴールとなりがちだが、その先に目標を置くように指導しているという。

とはいえ、近年の難関大への進学実績は目覚ましい。東大は18年度の合格者数が14人と、2年前から6人増。また、私立大が定員管理を厳格化し、合格者を絞り込むなかで、早稲田大は2年前の79人から113人へ、慶応大は31人から47人へと着実に合格者を増やしている。中でも現役生の伸びが大きく、私立大の総合格者数は429人から662人へと5割増えた。

台湾研修では英語で現地の生徒らと交流=船橋高校提供

台湾研修では英語で現地の生徒らと交流=船橋高校提供

要因について安藤氏は「特別な対策はしていないが、勉強に興味を持たせるための地道な動機づけの施策が実り始めているのではないか」と指摘する。東大や一橋大など有力大学から担当者を招いて説明会を開くほか、「船高カレッジ」と称して、政治・経済や社会、科学など各界の専門家による講演会も催している。

最近、力を入れているのが海外での研修だ。1999年度からオーストラリアへの短期留学制度を開始。約30人の2年生が2週間ほど現地の家庭にホームステイし、英語や現地の文化を学ぶ。

また、文部科学省から理数教育を重点的に行うスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されたのを受け、13年度から約1週間の台湾研修も始めた。現地の高校との交流が主な目的で、課題研究の内容を英語で発表し合う。「日本に比べダイナミックに成長するアジアを肌で感じてもらう。参加した学生には刺激になっているようだ」

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