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「専門性」が強みに

人事、経理、法務といった管理部門は、業績によって評価が左右される営業職などに比べると、年収が上がりにくいイメージがある。「同じ企業の中で見たとき、例えば営業職の同期同士で年収が100万円違うことはあり得るが、経理の場合はそうした状況は考えにくい」(大浦氏)。ただ、専門性を強みにできるケースでは、よりキャリアの選択肢が広がる。

特に法務は、人事や経理など他の管理部門と比較して、スキルレベルと報酬が比例しやすいという。

「例えば、国内市場中心のメーカーから、海外展開も視野に入れるウェブサービス関連企業へ転職した事例では、年収が一気に200万円アップしたケースもあります。契約事務など、国内向けの『守り』の法務に徹していたところから、もともと持っていた英語力を掛け合わせ、『攻め』の国際法務へとシフトした結果です」(大浦氏)

「晴れ予報」と「転職の成功」はイコールではない

ただ、「売り手市場」に踊らされ過ぎるのも考えものだ。

大浦氏は「求人数が増えているのは確かだが、それと『転職に成功した人の数』が増えることは必ずしもイコールではない」と話す。「企業は数集めではなく、スキルのある人材を求める傾向にある。近年は求人内容も、その分野の『経験者』限定の案件が増えている」という。

一方、「今の勤め先を辞めること」を目的化して転職活動に踏み切ってしまうと、求人数が多い故に比較的簡単に内定が出てしまうという「リスク」もある。

「自身のキャリアやスキルをしっかりと見極めることが大切。雰囲気に流されて動いてしまうと、たとえ年収は上がっても、転職後に自分のスキルや適性と、仕事内容とのミスマッチが露呈するケースもある」(大浦氏)

経済状況や国際情勢を踏まえると、「晴れマークだらけ」の転職市場予測もいつまで継続するかは分からないという。人材の流動性は高まり、チャンスが広がっていることは確かだ。だが、転職を検討する場合には、しっかりとキャリアプランを立てた上で臨みたい。

(ライター 加藤藍子)

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