女性活躍の壁、自分の中にも 12の「悪癖」見直そう
サリー・ヘルゲセン、マーシャル・ゴールドスミス著 『コーチングの神様が教える「できる女」の法則』

「上をめざす」女性に、先へ進むための心構えを伝授する
女性活躍推進法が全面施行されて間もなく3年。政府は2020年までに「女性管理職の比率を30%に引き上げる」と掲げるが、達成は容易ではなさそうだ。今回の書籍『コーチングの神様が教える「できる女」の法則』は、米企業を中心にコーチングで高い評価を得てきた著者が、女性に多くみられる「出世を妨げる12の悪癖」を指摘。キャリアの壁を破る策を伝授する。女性はもちろん、男性も目を開かれる内容だ。
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サリー・ヘルゲセン氏
著者のサリー・ヘルゲセン氏は、女性経営者・リーダーへのコーチングを通じ、その強みを見つけてリーダーシップスキルを伸ばすよう支援してきました。30年近くに及ぶ活動のなかで、「The Female Advantage」などの女性リーダーシップ関連の本も出しており、米フォーブス誌では「女性リーダーシップ専門家のトップ」として紹介されています。
共著者のマーシャル・ゴールドスミス氏は、150人以上の大企業のトップや経営陣にコーチングをしてきたことで知られ、日米でベストセラーとなった『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(日本経済新聞出版社)が有名です。
無意識の癖を指摘、気づきを促す
歴史的にみて会社や役所といった組織の多くは、男性がつくってきました。特に日本では男女の管理職比率が象徴するように、なお男性中心の色が濃いのが実情です。そのなかで女性が昇進や成功を果たし、組織を変えていくためにも、男女の考え方や行動様式の傾向や特徴を意識するのが有効です。
本書では「自分の実績をきちんと言わない」「完璧主義の罠(わな)に陥る」「専門性を過大評価する」「人間関係を築くだけで活用しない」などを女性に多くみられる特徴として紹介し、昇進を阻む12の「悪癖」と指摘します。
こうした悪癖のひとつに1章ずつを使い、コーチングで出会った様々な実例を基に原因や対策を解説していきます。無意識にしてしまうのが癖ですが、気づいて見える化すれば改善していけると説くのです。
(PART2・第4章 12の悪癖 90ページ)