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「現在は『学業プラスワン』を合言葉に、勉強だけでなく、部活動や学校行事に全力で取り組むことを呼びかけている」という。全校生徒の9割以上が運動系か文化系の部活動や同好会に所属。中でも音楽部が中心となり、宇都宮女子高の協力も得て毎年12月に開くベートーベンの「第九」演奏会は一般にも公開し、市の風物詩となっている。

オリジナルの校内模試を最重視

毎年12月に開く「第九」演奏会は大勢の市民が聴きにくる=宇都宮高校提供

毎年12月に開く「第九」演奏会は大勢の市民が聴きにくる=宇都宮高校提供

もちろん、学習にも全力で取り組む。「全教科主義」といって、3年生でも5教科すべての科目を履修する。「苦手な科目があるからといって、自分の進路について安易に妥協せず、様々な可能性を広げてほしい」との願いからだ。

5教科を学び続けることは、国公立大の2次試験対策にもなっている。実際、東大には毎年10~20人、東北大には30人前後が合格。毎年、65%前後の生徒が国公立大に進学している。難関私立大でも18年春は早稲田大に51人、慶応大に47人が合格した。

高い合格実績を支えるもう一つの取り組みが、学校独自の模擬試験だ。3年生が計4回受けるが、すべて教科担当の教員が国公立大2次試験を想定したオリジナル問題を作成。結果の分析と対策も徹底する。毎回、進路部と3学年の担任、出題者に校長や教頭も加わり、全体の概要や教科・科目ごとの学習到達状況などを分析。その結果を踏まえ、担任が生徒一人ひとりと面談する。

面談では教科ごとに強みや弱みを指摘し、今後の学習方針を確認する。さらに過去数十年分の模試データをもとに、「この時期にこの点数なら、○○大学は有望だ」といった進路指導もする。「データがそろっているのが当校の強み。外部の模擬試験も活用するが、一番信頼を置いているのは校内模試だ」。村山氏は言い切る。

学習への興味や関心を呼び起こす工夫もこらす。その一つが「滝の原教養講座」。大学の先生や企業の技術者らを招き、専門的な講義を聞く。18年度は千葉工業大の未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之氏が講演したほか、ホンダやソニーセミコンダクタソリューションズの幹部がこれからの産業の潮流について解説した。科学分野であっても文系を含む全生徒が講演を聞き、教養を身に付けてもらう。

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