実力を問う「人づて転職」 ミスマッチなく高定着率

知人の紹介でモンスター・ラボに転職を果たした御園華佳氏
転職先の社員との個人的な関係を頼って転職する「コネ転職」が活発になっている。「コネ」というと日本ではイメージがよくないが、もともと米企業などではよくある転職・採用の手法だ。日本でも外資系やベンチャー企業では珍しくないが、最近は大手企業も積極的に取り入れ始めた。「リファラル採用」や「社員紹介採用」とも呼ばれ、人材の流動化が急速に進むなかでキャリアアップの新たな手段となりつつある。
「うちの会社、受けてみたら?」
ソフトウエア開発のモンスター・ラボ(東京・渋谷)で、ウェブデザイナーとして働く御園華佳氏(26)は2019年2月に中途入社した。きっかけは個人的なコネだった。以前働いていた会社の同僚で、今はモンスター・ラボで働いている友人に転職の相談をしたとき、「うちの会社、人手が足りないから採用試験受けてみたら」とアドバイスされたのだ。
会社の募集要項を見ると、ウェブデザイナーとしての経験の浅い御園氏は応募条件を満たしていないように思われた。そこで再度、友人に相談したところ、人事の担当者を紹介され、採用面接を受けられることに。計3回の面接はトントン拍子で進み、入社が決まったという。
御園氏は、「友人から話を聞いて、この会社なら自分のやりたいことができると思ったのが入社を決めた一番の動機。会社のよい面も悪い面も教えてもらい、よく理解できていたことも決断を後押しした」と話す。
モンスター・ラボは、こうした社員紹介採用に積極的で、中途入社組の4人に1人は社員による紹介という。御園氏のような20代の若手だけでなく、40代の中堅クラスも目立つ。人事を担当する永田貴枝氏は、「社長自ら、自分のコネを使って幹部クラスの優秀な人材を次々と引っ張ってくる」と語る。
採用で知人紹介、海外では一般的
コネ採用やコネ入社というと、日本では「能力も実績もないのに、誰か偉い人の口利きで入社した」といったマイナスのイメージがつきまとう。しかし、日本のような新卒一括の採用慣行がない海外では、コネ採用はむしろ一般的だ。