変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

人材サービス大手のリクルートキャリアが運営する転職サイト「リクナビNEXT」の藤井薫編集長は、「米国のIT(情報技術)業界はエンジニア同士の横のつながりが非常に強く、他社の知り合いを自分の会社に誘ったり、転職を考えるときに他社の知人を頼ったりするコネ転職が昔から盛ん」と証言する。

藤井氏はさらに、「かつての日本のコネ採用は実力不問の世界だった。リファラル採用や社員紹介採用と呼ばれる現代のコネ採用は、きっかけはコネでも面接などを通じて個人の能力をきちんと確認してから採用しており、昔とは全然違う」と指摘する。

リクルートキャリアが18年8月に全国の大手から中小まで含めた企業の人事担当者630人に実施したアンケート調査によると、リファラル採用制度のある企業は調査対象全体の71%に達し、制度導入を検討している企業も15%あった。ただし、制度があると答えた企業の約3分の1は、「制度はあるが、推進していない」と答えており、リファラル採用を積極的に活用しようとしている企業は、まだ半分に満たないことになる。

企業にとって、リファラル採用の最大のメリットは採用コストを大幅に抑えられる点だ。最近は人手不足に悩む企業が増えており、エンジニア部門を中心に優秀な人材の採用コストが急上昇している。採用コストの抑制は、多くの企業にとって共通の課題だ。人材サービス大手エン・ジャパンが企業にリファラル採用のメリットを聞いたところ、最も多かったのは「採用コストが削減できる」で、実に76%に達した。

中途採用のコスト、大幅にカット

モンスター・ラボでは、通常の人材サービス会社を通じて中途採用した場合、1人あたり200万円前後の報酬を払うこともあるが、社員紹介採用なら「直接のコストは、紹介してくれた社員に紹介料として支払う10万円ぐらい」(永田氏)という。社員紹介採用は、社員の積極的な紹介が成功のカギとなるだけに、紹介料という形でインセンティブを払うのが一般的だ。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック