40歳からの「初めて転職」 失敗した人の敗因は?
ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

ミドル転職に成功したのに、実力を発揮できないケースには主に5パターンがある。写真はイメージ=PIXTA
ミドル世代の転職者が増加しているようです。4月9日付の日本経済新聞朝刊で、リクルートキャリア、ジェイエイシーリクルートメント、パーソルキャリアなどの人材紹介会社で、50歳以上の転職者がそれぞれ3年で倍増したというニュースが掲載されました。一方で、富士通やNECなど大手企業の間では、45歳以上の社員を対象とした早期退職募集が相次ぐなど、業界や職種によってかなり温度差が広がっているようです。そんな環境下で、転職を考えるミドル世代が注意しておくべきこととは何か? 今回はミドル世代の「初めての転職」にスポットを当ててみたいと思います。
ミドル転職に多い失敗のケースとは?
私が過去にお話をうかがってきたミドル世代の求職者の中で、40歳を超えて初めて転職した人のケースでは次のような失敗例があります。(ちなみにここでいう成功・失敗の定義は、ご本人の感じている「満足度」と、転職先で継続して働き続けているか、再転職をしようとしているか、すでに再転職を実行したか、という観点で分類しています)
敗因その1 任されるはずのミッションが実際には異なっていた
「海外向けの営業企画マネジャーとして入社したはずが、プロジェクトの中断により、入社から2週間で、購買や物流の仕事に異動となってしまった。担当役員からは一時的なものと説明されたが、会社への信頼感が一発で消えてしまった」というようなケースです。特に大企業から朝令暮改が当たり前のオーナーシップの強いベンチャー企業などに転職した場合に起こりがちなケースです。
敗因その2 入社前に聞いていた労働条件と違う
手当が含まれるか含まれないか、賞与の算出方法が違う、口頭で聞いていたのと年間休日が違っていた、想像以上に出張が多く移動時間として休日も休めない、など、基本的な労働条件が事前の話と異なるケースも多々あります。細部こそ楽観視せずに、条件通知書や就業規定など、内定受諾の前に確認しておきましょう。