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東大現役合格、「特進クラス」にとどまらず

中学の1学年の定員は200人。高校からは新たに入学してくる生徒の1クラスと内部進学生5クラスの編成になる。東京大学合格を目指す「特進クラス」もある。中学2年生から1クラスが「特進」になるが、生徒は固定でなく、成績次第で入れ替わる形という。残りも国公立大学、難関私立大学を目指す生徒がほとんどだ。中学1、2年を前期、中学3年と高校1年を中期、高校2、3年を後期と位置づけ、中高一貫校ならではの長期を見据えたカリキュラムで学力を伸ばしている。

三軒茶屋駅から徒歩10分ほどの場所にある世田谷学園のキャンパス=世田谷学園提供

三軒茶屋駅から徒歩10分ほどの場所にある世田谷学園のキャンパス=世田谷学園提供

2019年には東大に15人が合格したが、うち11人は現役だった。しかもこれは特進クラスの9人に加え一般クラスからも2人の合格者が出た結果だという。山本氏は「光るものを感じたら、教師は進んで生徒に声をかけ、その気にさせる」と話す。19年の合格者は、ほかにも京都大学3人、一橋大学5人、東京工業大学で13人を数え、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学の4大学にも計300人(重複あり)が合格している。

生徒の学力が伸びる原因の一つは、「こまめなフォロー」(山本氏)で学びの習得度を丁寧に確認していることだ。教師が日々、理解度や定着度を観察し、宿題や小テストで確認していく。採点して終わりにせず、添削や補習、再試験でさらに追いかけていく。定期試験の結果が出るたび、保護者会や保護者面談の機会も設けている。

システムやカリキュラムも時代の変化などに応じて見直しを重ねてきた。たとえば、17年度にはそれまでの2期制から3期制へ改めた。「3期のほうが定期試験の回数が増え、到達度や定着度を細やかにチェックしやすい」(山本氏)というのが理由だ。「当たり前のことを、当たり前に取り組んでいるだけ」と山本氏はいうが、その徹底ぶりが結果に表れているのだろう。入学時の偏差値と難関大学への合格実績を比べた中高一貫校の「学力伸び率」のランキングで首都圏の上位になったこともあり、「入ってから学力が伸びる」という声も多いようだ。

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