バイト→社員→子会社社長 なのに起業を決意した理由
ビースタイル 三原邦彦会長(下)

ビースタイルの三原邦彦会長は大学に入ってすぐに理系をあきらめた
主婦に特化した人材サービスを手がける「ビースタイル」(東京・新宿)の三原邦彦会長は理系出身だ。人材派遣業に取り組む転機は、芝浦工業大学在学中にあった。友人と開発したシステムの売り込みがきっかけで、人材派遣業のインテリジェンス(当時)に入社したことから、人材サービスに足を踏み入れた。
――芝浦工業大学出身なのに、なぜ、人材派遣業に興味を持ったのでしょうか?
「芝浦工業大学には2浪して入ったんです。高校時代はオートバイレーサーになろうと思っていました」
「草刈正雄さんが主演する『汚れた英雄』という映画を見て、中学生の頃からオートバイレーサーに憧れました。自分が主人公のオートバイレースの漫画を80ページ、5冊分ぐらい描いていたんです。高校時代は、実際にレースにも出ました。ただ、こんな風にも思っていたんです。スポーツ選手だし、先々、引退したら食えなくなるだろうな、と。そんなことを考えている時点で一流にはなれない。それで、大学に行こうと思って勉強を始め、芝浦工業大学に入りました」
「これも笑い話ですが、入ったら、すぐに理系は向いていないとわかりました。まず、実験が嫌い。同じことを繰り返すのが苦手なんです。それと、設計したものを図面に落とすのも苦手。そう考えたら、理系の職種なんて、ほとんど無理。それでも、当時からビジネス的なことには興味があり、人材派遣会社で営業のアルバイトをしていました」
「バイト先の派遣会社では当時、登録者を探す際に紙の書類を使っていました。それを見て、すごく非効率だなと感じました。人材派遣会社向けの検索システムを作ったら売れるんじゃないかと思い、プログラミングが得意な友人と組んでシステムを開発し、インテリジェンスへ売り込みに行きました」