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「となりにいる人を自分のように、神のように愛する。立場の違いがあっても、あなたと私は同じ」。経営者になって社員を雇う立場になってから、これらの言葉や聖書の話の重みを感じるようになりました。どんな相手でも相手の存在を受け入れるという気持ちを、人や組織と対峙するときに一番大切にしてきました。

校則もほとんどなく、自由な校風の神戸女学院には、多才な人たちが集まっていた。

特に、私たちの100回生は実に多様でした。中学に入るまで、大変な自信家だった私ですが、入学して上には上がいることを知りました。ピアノを3歳から習っていたから、このまま大学でピアノをやってもいいかしらなんて思っていたけれど、入学早々に同級生が弾くピアノの演奏はレベルが全然違いました。彼女はリサイタルなどを開くプロの音楽家になりました。

中学3年の時、私は生徒会長を務めたのですが、その年の文化祭の企画でファッションショーをしてくれた同級生の黒石恵子さんは、現在、スカーフのデザイナーとして活躍しています。彼女が入っていた家庭科研究部は毎年、クッキーか何かを焼いて出していたのですが、「今年は何かちがうことやろうよ。ファッションショーどう?」って私が声をかけたのです。その後、「あのファッションショーが私のキャリアの出発点だった」と言ってくれて、うれしかったですね。

キャリア・マムを設立したときに、公認会計士として会社の財務をみてくれたのも、同級生です。「どんな会社にしたい?」と聞かれたので「強い会社にしたい」と答えたら、わかったと引き受けてくれました。節税対策にいそしむのではなく、初年度からしっかり納税して、健全な財務の会社にしましょうねって。おかげで、これまでに赤字は2回ほどしかありません。

こんなに多才で優秀な同級生がそろっていましたから、自信家だった私も天狗(てんぐ)になることもなくなりました。ナンバーワンになれそうにないから、自分はオンリーワンで行こうとニッチ戦略をとるようになったのも、このころの経験がもとになっていると思います。

(藤原仁美)

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