笑いより好奇心 カリスマ講師が「伝わる説明」を指南
『感動する説明「すぐできる」型』著者 犬塚壮志氏に聞く
本書では、メインで取り上げるメッセージの関連ニュースを探すためのヒントも紹介している。第1ステップはグーグルにキーワードを入れて検索すること。ただし、それだけだとニュースが上位に来るとは限らないので、さらにニュースサイトなどでキーワード検索を試みてほしい。専門性の高い話題を探すなら、「J-STAGE」(科学技術情報発信・流通総合システム)を使うと学術論文が検索できる。英語の検索では「Google Scholar」などが便利だ。
ニュースを盛り込む時に、即効で使えるフレーズを紹介しよう。「今朝ここに来る途中で、こんなことがあったのですが」「今朝TVニュースで○○を見たのですが……」「実はこれについては、つい先日、アメリカの○○大学の研究機関で実証されたのです」といったイメージだ。
ニュースを使うときには次の3点もポイントになる。(1)ニュースがニュースであることを明確に伝えること(2)理解に時間を要するニュースは取り上げないこと(3)ネタ自体がすでに聴き手の関心のゾーンに入っているなら、ニュースは入れないこと――だ。
上達への近道とは
型を知ることで、上達のスピードは速くなるはずだ。「実は子どもの頃から、型にはめて何かをすることが嫌いだった。勉強も自己流でやっていた」と犬塚氏は反省を込めて明かす。考えを改めたのは、大学受験の時だ。予備校講師が準備してくれた勉強のフレームワーク(型)に従って勉強してみたところ、苦手だった英語でどんどん成績が伸びた。一方、なまじ得意科目だった生物で自己流の学習方法を続けたところ、成績が上がらなかった。
「説明」は場数を踏むことでも進歩する。まずは着実に一歩ずつ練習することが大切だ。8つの型の中から「自分にとって一番入りやすい」あるいは「自分に向いている」と感じる型から試してみてはいかがだろうか。
教育コンテンツ・プロデューサー。教育研修サービスの株式会社・士教育代表取締役。1981年福岡県出身。元駿台予備学校化学科講師。東京大学大学院で「学習環境」をテーマとする研究を行っている。主な著書に『頭のいい説明は型で決まる』(PHP研究所)、『偏差値24でも、中高年でも、お金がなくても、今から医者になれる法』(共著、KADOKAWA)
(若杉敏也)