会社を見限るのはいつ 人事のプロが明かす3つの基準
20代から考える出世戦略(66)

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人事コンサルタントをしていると「私は転職したほうがいいのでしょうか? それともここでそのまま頑張るべきでしょうか?」という相談を受けることがあります。
社員向け施設はきれいか汚いか
今いる会社をやめて転職したいと思う人に対して、私は最初にこんな質問をします。
「従業員だけが見ることのできるエリアは『きれい』ですか?」
この場合のきれいさとは、整理整頓という意味だけではありません。
古くなった設備や備品が、ちゃんと新しいものに交換されているかどうか、という意味を含みます。
飲食店や小売店などはわかりやすいですね。
お客様が入られるエリアではなく、スタッフがPCを扱う小部屋とか更衣室などが対象となります。
事務系の会社の場合には、そもそも応接室や会議室以外全般です。そこでの設備や備品とは、机や書架、複合機やPCだけでなく、給湯室の冷蔵庫や窓のブラインドなどを含みます。
営業系の会社の場合には、社用車も含めて考えてみてください。
そして自社ビルであるのなら、トイレがウォシュレットになっているかどうかもチェックしましょう。
この質問に対して、〇や△程度なら、将来性は否定されません。しかし×なら、少なくとも飛躍的な成長の可能性は低くなります。ケチ、ということが理由ではありません。
教育研修の仕掛けはあるか
2つ目の質問は、社内の教育や研修の仕掛けがあるかどうかです。
これは座学での研修に行けるかどうかを聞いているのではありません。重要なことは、教育や研修に対して、社内の雰囲気が前向きになっているかどうかです。
たとえば、定額制研修受講の契約をしていて、毎日なにがしかの研修に5人程度までほぼ無償で行けるとしましょう。けれども契約していることが重要なのではなく「今日、リーダーシップ研修があるので出席してきます」と言える社風かどうかがポイントなのです。