「東大王」鍛えた 開成・クイズ研究部の早押し特訓
開成中学・高校(上) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

8人が対戦する早押し。先輩が出す問題を聞き漏らすまいと身を乗り出す生徒たち
(中)中高つなぐ熱い体験 「開成人」は運動会で磨かれる >>
伊沢拓司さん、水上颯さんもここから
テレビのクイズ番組がブームだ。なかでもTBSの番組「東大王」からは、伊沢拓司さん、水上颯さんのような「東大生スター」が誕生した。この2人、実はそろって開成の出身。しかも同じクイズ研究部で腕を磨いたのだという。クイズ界の人気者を続々送り出すクイズ研究部を訪ねた。
放課後の教室に続々と生徒が集まってくる。この日は、主に入部したばかりの中学1年生が活動する日だった。学生のクイズ大会などで数々の優勝を果たした部だが、体育会的な緊張感はない。なんとなく集まり、なんとなく始まる。
幹部の高校生が早押しのボタンをコンセントにつないで準備する。練習を仕切るのは高校2年生の部長だ。8人のグループを5つつくり、順番に練習が始まる。黒板には「4○ 2× 2人抜け」の文字。「4問正解した者から上位2人が勝ち抜けする。2問間違えたら失格」の意味だ。

歴代の部員の「クイズにかける青春」をみてきたボタン
問題集を持った上級生が教卓に着き、早押しボタンを握りしめた8人が周りを囲む。問題が読み上げられると、「ポン!」という軽い電子音が鳴ってライトがつく。解答権を得た生徒が答え、正解なら出題者が「正解!」と声を出す。間違えれば「ブー」というブザーを鳴らす。それをひたすらくり返す。
ボタンのセットは1つしかなく、一度に参加できるのは8人まで。残りはひたすら待機。中1生の多くは、スマートフォンのアプリ「みんなで早押しクイズ」に取り組んでいた。インターネットを介して、見知らぬ人とリアルタイムに早押しを競えるアプリだ。