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異なる分野の「掛け算」でキャリアを築く

「人生100年時代」といわれ、70代まで働くことが現実的になった今は、「掛け算」のキャリア構築を目指すほうが、将来の選択肢が広がります。例えば、経理・財務のキャリアを積んできた人がマーケティングを勉強してみるといったように、異分野と掛け合わせて次のステップに進んでみることをお勧めします。

社内で異動するチャンスがあれば、その機会を利用して新たな経験を積むのも手です。社内異動できる可能性がなければ、転職という選択肢もあります。30代半ばぐらいまでであれば、ポテンシャルを重視して採用を行う企業も多くあります。これまでの経験が生かせて、かつ興味があるテーマという条件で、新しい経験が積めるポジションを探してみてもいいでしょう。以下に例を挙げてみます。

・営業経験を生かしつつ、人事にチャレンジする

採用を主なミッションとする人事職の募集では、最近、営業経験者が採用されるケースが増えています。「商品を購入してもらう」と「応募・入社してもらう」は共通点が少なくありません。相手のニーズをくみ取って自社のメリットをプレゼンテーションする力が生かせます。

・経理・財務経験を生かしつつ、子会社の管理業務全般にチャレンジする

グループ展開しているベンチャー企業などでは、子会社の管理部門マネジャーなどのニーズがあります。経理・財務のキャリアを生かしつつ、子会社の管理全般、ひいては経営に携わるチャンスがあります。

・SE(システムエンジニア)としてのプロジェクトマネジメント力を生かしつつ、経営企画にチャレンジする

経営企画部門では、業務効率化による生産性向上、あるいはIT(情報技術)で事業を変革するデジタルトランスフォーメーションといった取り組みが活発です。社内のリソースを横断的に見て、様々な部署を巻き込みながらプロジェクトを推進していくにあたっては、プロジェクトマネジメントのスキルが求められます。SEなどとしてプロジェクトマネジメントを経験した人であれば、経営企画部門や新規事業推進室といったステージで新たな経験を積める可能性があります。

冒頭では「同じ会社・同じ部門に長年とどまった人は転職が難しい」と書きました。そうした人が転職活動で苦戦し、やむを得ず今の会社にとどまることになった場合、あえて「他部門への異動」を志望してはいかがでしょうか。そこで変化を経験し、これまでのキャリアに新たなキャリアを掛け合わせることができれば、先々の転職可能性が広がります。

仮に不本意な部門への異動を命じられることがあったとしても、「新たなキャリアを掛け合わせて、人材としての価値を高める」という前向きな気持ちでチャレンジしていただきたいと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子
 morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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