校則違反繰り返しても全否定せず 大阪星光の懐の深さ
吉村英毅・エボラブルアジア社長(下)

吉村英毅・エボラブルアジア社長
航空券などのネット販売「エアトリ」を運営するエボラブルアジアは、DeNA子会社だったDeNAトラベルを買収するなど積極的なM&A(合併・買収)を進める一方、ソフトウエア開発を海外で受注するITオフショア事業をベトナムで展開する。積極的な事業展開を指揮する吉村英毅社長(37)は大阪星光学院中学校・高校時代、決して優等生だったわけではないと打ち明ける。遊ぶのが楽しく成績が急降下した時期も、大阪星光学院は決して吉村さんを見捨てなかった。
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中学2年のころ、学校の仲間とバンドを組んだ。仲間と遊ぶのが楽しくなった。
ビル・ゲイツにあこがれて「東大に入って、在学中に起業する」と決めたのも同じころです。ですが、実はそのころから学校の成績は急降下していました。
原因はバンド活動でした。私はドラムとキーボード担当。米のグリーン・デイとか日本のMr.Children、ハイスタンダードなど、当時はやっていたバンドをコピーしていました。他校のバンドと一緒にライブをやったりするうちに、街で遊ぶのが楽しくなってしまった。学校には行っていましたが、行かない日もありました。髪を染めるなど、校則違反もいくつもしていました。
特に何かに反発したというわけではないのです。ただ単純に遊ぶのが楽しくて遊んでしまいました。仲間も同じだったと思います。当然ながら、学校の成績は下がりました。高校1年の終わり頃には、学年200人のなかで下から20番以内に入るほどになってしまいました。
両親から何か言われたということも、ありませんでした。うちは私が小さいとき、特に父が非常に厳しかったのです。会社を経営しているので夜遅くに帰ってくるのですが、母と子ども3人全員で玄関で出迎えないといけないというくらいの厳しさでした。ところが、私が中学に入ってからは逆に一切何も言われなくなりました。遊んでいる私を見ても、そういう時期だとわかっていたのかな、と今になると思いますね。