人気ウェブライターが明かす 自分が楽しくなる文章術
リブロ汐留シオサイト店
書くことはまず自分を救う
そんな著者の態度を読みながらたどっていくと、ネットやSNS(交流サイト)にあふれている文章とは「事象を見聞きして、それに対して思ったこと考えたこと」を書いたものであり、「それを書くことは、まず自分と、もしかして誰かの心を救う」という著者の文章論がすっと胸に落ちてくる。
著者のネットコラムがバズったのはあくまで結果であって、「わたしも、どんなにつまらないと言われる雑文であろうと、お金にならなかろうと、自分のために文字を書き続けたいと思う」と言い切る。その態度はどこかすがすがしい。
「一度品切れになってランキングから落ちたが、再入荷してからまた上位に上がってきた。発想術や企画系の本がよく売れるこの書店らしい売れ筋」と、店長の三浦健さんは話す。問題解決や目的達成のために文字を書く機会が多いビジネスパーソンなら、本書で一度思考をリフレッシュしてみるのもいい。
『FACTFULNESS』『Think clearly』、息長く上位に
それでは先週のベスト5を見ておこう。
1位はカリスマ経営者が自らの経営哲学を語った最新刊。6月の刊行だが、これもここへ来て再浮上した。冒頭でも触れたように1月刊の『FACTFULNESS』と4月刊の『Think clearly』が2位と4位で、息の長い売れ筋としてビジネス書全体を引っ張る。その間にはさまれた3位に今回紹介した文章術の本。5位には、起業家でビジネストレーニングを手がける人気講師による働き方とお金の指南書が入った。
(水柿武志)