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書くことはまず自分を救う

そんな著者の態度を読みながらたどっていくと、ネットやSNS(交流サイト)にあふれている文章とは「事象を見聞きして、それに対して思ったこと考えたこと」を書いたものであり、「それを書くことは、まず自分と、もしかして誰かの心を救う」という著者の文章論がすっと胸に落ちてくる。

著者のネットコラムがバズったのはあくまで結果であって、「わたしも、どんなにつまらないと言われる雑文であろうと、お金にならなかろうと、自分のために文字を書き続けたいと思う」と言い切る。その態度はどこかすがすがしい。

「一度品切れになってランキングから落ちたが、再入荷してからまた上位に上がってきた。発想術や企画系の本がよく売れるこの書店らしい売れ筋」と、店長の三浦健さんは話す。問題解決や目的達成のために文字を書く機会が多いビジネスパーソンなら、本書で一度思考をリフレッシュしてみるのもいい。

『FACTFULNESS』『Think clearly』、息長く上位に

それでは先週のベスト5を見ておこう。

(1)心。稲盛和夫著(サンマーク出版)
(2)Think clearlyロルフ・ドベリ著(サンマーク出版)
(3)読みたいことを、書けばいい。田中泰延著(ダイヤモンド社)
(4)FACTFULNESSH・ロスリングほか著(日経BP)
(5)なぜ、あの人は「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?岡崎かつひろ著(きずな出版)

(リブロ汐留シオサイト店、2019年9月1~7日)

1位はカリスマ経営者が自らの経営哲学を語った最新刊。6月の刊行だが、これもここへ来て再浮上した。冒頭でも触れたように1月刊の『FACTFULNESS』と4月刊の『Think clearly』が2位と4位で、息の長い売れ筋としてビジネス書全体を引っ張る。その間にはさまれた3位に今回紹介した文章術の本。5位には、起業家でビジネストレーニングを手がける人気講師による働き方とお金の指南書が入った。

(水柿武志)

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