変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

各章ごとに数ページの節をいくつか連ねて解説する。その節一つ一つに実際のビジネスの事例が的確に配置され、ビジネスモデルの読み物としてもおもしろく読める。江戸時代の三井・越後屋の創業物語から始まってフォード、ジレットといった著名なビジネスモデル、さらには任天堂やアップル、果ては最近のネットビジネスのフリーミアムやサブスクリプションモデルまでがそこここに登場する。様々な具体的なビジネスストーリーを追いかけながら、ターゲットの設定や価値を提供する仕組みをどうつくるかといったビジネスに必要な経営学の基礎知識が頭に入ってくる仕掛けだ。図も豊富で多色刷りの版面も見やすく、理解を助けてくれる。

「先行発売で入荷してすぐ売れ始めた。一般販売も始まったところだが、勢いはまだ続きそう」と、ビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。経営学の本は大著から簡単な入門書まで様々あるが、手ごろな歯応えとわかりやすさの両面を備えた本書はこれからの定番に育っていくかもしれない。

経営書のブックガイドも上位に

それでは先週のベスト5を見ておこう。

(1)すべての働く人のための新しい経営学三谷宏治著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
(2)さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版トム・ラス著(日本経済新聞出版社)
(3)世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた永井孝尚著(KADOKAWA)
(4)会社四季報 業界地図 2020年版東洋経済新報社編(東洋経済新報社)
(5)不動産証券化ハンドブック2019不動産証券化協会編(不動産証券化協会)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2019年9月23日~29日)

今回取り上げた本が堂々の1位。2位には自分の強みを知る本が入った。3位は6月に本欄「経営の必読書50冊を厳選 伝道師による読書ガイド」で紹介した経営書のブックガイド。1位の本につられて買っていく人が多いようだ。4位はこの季節には必ずランキング上位に入ってくる業界研究本。5位の本は、業界団体が年1回発行する不動産証券化に関するガイドブックだ。

(水柿武志)

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