変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

こうした投資家的思考を前半で熱く説いたあと、後半は実践編として行動習慣を変えるヒントをいろいろと提案していく。「お金をかけなくていい」「三日坊主上等」「プロセスを楽しむ」という3つのルールで行う自己投資術とか、投資家的アウトプット術やタイムマネジメント術など、様々な行動を変える小ネタが満載だ。最後のエピローグで少しだけ、「お金の投資」についても言及している。

「生き方や思考法という切り口が最近の流行。売れ筋になる本が多い。この本もそうした流れに乗った本だが、投資家という、もう一つの切り口で新味が出ているようだ」とビジネス書を担当する本店マネジャーの川原敏治さんはみる。

『会社の終活』が4位に

それでは、先週のランキングを見ておこう。今回はベスト10まで紹介する。

(1)それでも税務署が怖ければ賢い戦い方を学びなさい松嶋洋著(金融ブックス)
(2)小説やらまいか 豊田佐吉傳(上・下)北路透著(致知出版社)
(3)センスメイキングC・マスビアウ著(プレジデント社)
(4)会社の終活福谷尚久・土屋文博著(中央経済社)
(5)「サ高住」投資の教科書高井新著(大和出版)
(6)Think clearlyロルフ・ドベリ著(サンマーク出版)
(7)会社四季報 業界地図 2020年版東洋経済新報社編(東洋経済新報社)
(8)新しい経営学三谷宏治著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
(9)投資家みたいに生きろ藤野英人著(ダイヤモンド社)
(10)日経業界地図 2020年版日本経済新聞社編(日本経済新聞出版社)

(八重洲ブックセンター本店、2019年10月6~12日)

1位は元国税調査官の税理士が業界紙に書いたコラムをまとめた本。税務調査対策の実践テクニックなどが披露されている。2位はトヨタグループを創始した豊田佐吉をモデルにした小説だ。3位は、人工知能(AI)やアルゴリズムの存在感が日増しに大きくなっている今、人文的な知識がいかに重要かを考察した論考。18年11月刊で、本欄でも18年末と19年夏に書店員のおすすめ本としてとりあげたが、ここへ来てなぜか上位に浮上してきている。

4位は、事業承継としてのM&Aについて、具体的な事例を盛り込みながら考え方から税務・会計・法務などの実務面の対応策までを詳述した本。「NIKKEI STYLE ブック」の記事「会社の寿命は20年余り もしもに備えるキャリア形成」で紹介した一冊だ。5位にはサラリーマン大家の著者による、サービス付き高齢者住宅投資のノウハウを伝授する本が入った。

6位に息の長い売れ筋の『Think clearly』が入り、7位と10位に毎年恒例の業界研究本が来る。その間の8位に前々回の本欄「事業ひとつを回せるように 初学者向けに経営学を整理」で取り上げた経営学の入門書、9位に今回紹介した本が入った。10位以内に9~10月の新刊が6冊入り、「息の長い売れ筋や定番と新刊とがバランスよく売れている」と川原さんは話す。

(水柿武志)

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