人事のプロが断言 「稼げる人」は数値目標を追わない
『稼げる人稼げない人の習慣』

新時代のリーダーになれるのは「どんな環境であっても乗り切れる人」だと説く
がむしゃらに頑張れば、ある程度の成果を出せた「平成」は過ぎ去った。新時代の会社員は、短い労働時間で成果を上げる「働き方改革」に対応できなければ職場に居場所を見つけられない。一方、企業は売り上げ規模より利益率を重視する「効率経営」を推し進めている。ビジネス環境が大きく変わる「令和」のビジネスパーソンが結果を出すために必要な心得とノウハウを満載したのが、今回紹介する『稼げる人稼げない人の習慣』だ。
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6500人以上のリーダーを選んだ「目利き」

松本利明氏
著者の松本利明氏は人事・戦略コンサルタントです。PwC、マーサー、アクセンチュアなど大手外資系コンサルティング会社で約25年間、人事分野に関わってきました。規模も国籍もさまざまな600以上の会社で人事や働き方の改革に取り組んだ経験を持ちます。人を選定する「目利き」を自負し、累計で5万人以上のリストラと6500人以上のリーダー選抜・育成を行ってきました。
令和の時代は少し違います。今は「自分らしく稼ぐ」時代です。
(文庫版まえがき)
本書は松本氏が2015年に明日香出版社から発行した『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』を改題、加筆、修正して文庫化したものです。15年の状況を振り返りつつ、著者は「ここ数年で企業が求める次世代リーダー像も様変わりしました」と指摘します。新しいリーダー像とは「どんな環境であっても乗り切れる人」です。しかも「眉間にしわを寄せ、我慢を積み重ねたりするのではなく、何があっても涼しい顔をしてスイスイ乗り越えていくような人材」だといいます。
「完璧」を目指すのは、稼げない人
全体で50の習慣が取り上げられています。分野は大きく分けて6つ。「仕事術」「キャリア意識」「コミュニケーション」「思考法」「生活習慣」「働き方」です。巻頭の目次に50項目が並んでいます。それを流して読むだけで、大まかなイメージはつかめるはずです。いくつか例示しましょう。
【02】 稼げる人は期待値が「低く」、稼げない人は期待値が「高い」。
【03】 稼げる人は「期日を守り」、稼げない人は「期日を決めない、守らない」。
【04】 稼げる人は文章が「わかりやすく」、稼げない人は文章が「伝わりにくい」。
最初から読んでもよいし、気になるところから読んでもよいと思います。「ぜひ、楽しみながら読んでください」と著者は言います。