優待株で数億円 みきまる氏が語る誰でもできる投資技
『楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門』著者に聞く

物語コーポレーションの優待券
株を一定数購入すると、その会社の商品の詰め合わせをもらえたり、高い割引率で買い物ができたりする株主優待制度。それを目当てに株を購入する個人投資家も多い。
運営しているブログ「みきまるの優待バリュー株日誌」は、株主優待を愛好する個人投資家のバイブルとして人気を博している。このほど、自身の投資法と売買のノウハウを解説した著書『楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門』(日経BP)を出版した。20年に及ぶ実践を通して蓄積してきたテクニックの数々を惜しみなく開示し、「私の投資人生の集大成と自負しています」と胸を張る。著書を執筆した動機や株式投資に対する思いを、担当編集者が聞いた。
最初は執筆を即座に断った
──「日経マネー」の取材で何度か話を聞く中で多彩なノウハウや株式投資についての深い知識に感嘆し、著書の執筆を依頼しました。ですが、最初の頃は何度か断られました。

みきまるさんの新著
自らの手法を本という形で明らかにすれば、自分が持つエッジ(優位性)はあっという間に知れ渡り、陳腐化して実効性を失ってしまうからです。事実、10年以上前にはとても有効だった、いわゆるデイトレードの手法の多くがそうでした。書籍やDVDなどの形で世に出ると、まねをする投資家が一挙に増え、瞬く間に効力が消滅しました。
そうした経緯を私は目の当たりにしてきたので、「とても光栄ではあるけれど、自分にとってはあまりにもデメリットが多過ぎる」と思い、断ったのです。
──ですが、説得を続けて、執筆を承諾していただきました。
根負けしたこともありますが、「自分も、株式投資に関するたくさんの過去の名著に学んだおかげでここまで成長し、生き残ってこられた。感謝の念を込めて一度だけ、一回だけ、自分の投資法を紹介する本を出して、株式市場に恩返しをしよう」と考え直したのが最大の理由です。
加えて、本としてアウトプットすることによって、これまでの投資家としての自分の20年を総括できて、自分の投資法の改善につながる大きなヒントが得られるかもしれないとも考えました。