コロナに負けない テレワークに必要な4つの視点
『テレワークで新型コロナショックを乗り切る!』より

テレワークを実施する職場が大きく広がっている
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、テレワークが広がりをみせている。そんな中、『テレワークで新型コロナショックを乗り切る!』(日経BP)が電子書籍として緊急出版された。テレワーク実施企業の実例が豊富に集められている。テレワーク実施にあたって注意すべきことは何か、担当編集者に内容を紹介してもらった。
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「オフィス閉鎖」が相次いでいる。感染者が発生した企業はもとより、予防措置としてオフィスを閉鎖し、従業員には自宅待機を命じる企業もある。あなたの会社も例外ではない。あす、あなたのオフィスが閉鎖になるかもしれない。そのとき、あなたはどうするだろう? 手持ちの業務を続けられるだろうか? 実は、おそらく働き手であるだろう「あなた」に上記の質問をするのは不適当かもしれない。そういった「事業継続計画」(BCP)は企業があらかじめ準備をしておくべきものであるからだ。だが、そういうものが必要だ、という意識は誰しもが共有しておく必要がある。
新型コロナウイルス感染によるオフィス閉鎖のBCPとしては、テレワーク(本来とは違う場所で業務を遂行すること)が有効に働く。私たち日経BPテレワーク特別取材班は、テレワークを考えるための材料にしていただくべく、本書『テレワークで新型コロナショックを乗り切る!』を電子書籍のみで緊急刊行することとした。日経BPのメディアプラットフォーム「日経ビジネス」「日経クロステック」「日経クロストレンド」「日経クロスウーマン」が蓄積してきたテレワーク関連の記事を集約し、視点別に整理した。BCP導入担当者のみならず、テレワークで働いていこうとするあなたのお役にもきっとたつはずである。
テレワークを4つの視点で分析する
本書ではテレワークに対する視点を4つに分類した。(1)テレワークを導入する企業の視点(2)テレワークを考える人々の視点(3)テレワークで働く人々の視点(4)テレワークを支える製品・サービス、の4つだ。
まず企業視点「第一章 テレワークを導入した企業事例」では、エン・ジャパン、三井住友ファイナンス&リース、アフラック、トヨタなど各社のテレワークへの取り組みを紹介する。延期が決まったが、今年2020年は東京オリンピックの開催が予定されていた。コロナ騒ぎがなかったとすれば、この夏には世界各国から膨大なゲストが来日し、東京を中心に人の移動が困難になる、すなわち「会社に行くのが難しくなる」ことが想定されていた。テレワークの切実な必要性は既に発生していたのだ。たとえばキユーピーはこれを前提に、都心から離れた場所で業務を継続できるよう、実験を行っている。