サボリ頭に強制的にスイッチ入れる 2つの魔法の質問
第4回 論理思考

なぜ会議は上司の一人芝居になるのか?
会議とは、文字通り「会」って「議」する場です。ところが実態はそれとはほど遠く、延々と上司の話を拝聴するのが、大方の会議ではないでしょうか。「会議の満足度は発言量で決まる」と言われており、上司の自己満足につき合わされているわけです。
多くの上司は「部下の意見が聴きたい」と言います。ところが、考えの浅い意見しか出てこず、使いモノにならない。やむなく自分が意見を言ってリードするしかない。それが上司の言い分です。
いきなり会議で発言を求めても、期待するレベルの意見は出てこないのは当たり前。日常の業務の中で、深く考えることをしつけしていないと、できるわけがありません。会議以前に、部下の思考力を育てることが先であり、そのためにお勧めしたい質問が2つあります。
たとえば、部下が「大変です。○○が△△になっちゃいました。どうしますか?」と駆けこんできたとしましょう。条件反射的に指示を飛ばしたいのをグッとこらえ、尋ねてみてください。「君はどう思うの?」と。
最初は面食らって返答につまるかもしれません。ところが、何度も繰り返せば必ず意見を言うようになります。それを「なるほど、□□と思うんだね」と軽く受け止めてから、すかさず2つ目の質問をぶつけてみましょう。「なぜ、そう思うのかな?」と理由を尋ねるのです。
回答が「なんとなく」「前にそうしたから」「そんな気がしたので」では話になりません。みんなが納得できる理由があるかを点検してみましょう。これこそが「論理思考」の出発点です。
ワケありで考えるのが論理思考の出発点
論理思考というと何か小難しいもののような印象を受けます。たしかに、その元になる論理学は哲学の一分野であり、真剣に学ぶには骨が折れる学問です。
また、1990年代以降にブームとなったロジカルシンキングは、経営コンサルタントの分析・説得術が元になっています(ちなみに、本来の英語にロジカルシンキングという言葉はありません)。ぶっちゃけて言えば、賢い人向けの思考法です。