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入社2年目で新事業責任者に抜擢

お互いの仕事内容を褒め合う体験をしていると、モチベーションが上がるのではないか――。そんな仮説を基にした取り組みが社内で功を奏したところで、事業化の話が持ち上がった。この仕組みを応用したシステムをつくれば、他の企業の組織にもよい影響を与えられるのではないかというものだ。

その「責任者」に抜擢されたのが、入社2年目でエンジニアの一人だった斉藤氏だった。発案者というわけでもなかったのに、なぜなのか。経営陣が買ったのは、斉藤氏の「起業家精神」だった。

「僕自身もなぜ指名されたのか気になって、理由を聞いたことがありました。すると、エンジニアでありながら日ごろから『この事業はこうあるべきだ、だからこう変えるべきだ』といった発言が多かったからだと言われた。つまり、経営と開発の両方の視点を持っている人材だと思ったというわけです。学生時代に事業を起こした経験があったからこそ、そういう思考法が自然に身に付いていたのかもしれません」

斉藤氏は「組織人」としての経験年数こそ長くはないものの、職場のメンバー一人ひとりが持つべきリーダーシップについては持論がある。それは、「問う責任」と「説明する責任」というものだ。

リーダーには問う責任と説明する責任があるというのが持論だ

リーダーには問う責任と説明する責任があるというのが持論だ

「事業の方針について判断をしなければならないとき、メンバーの士気を一番下げてしまう言葉はおそらく『上から言われたから』『みんなそうしているから』の2つなんです。リーダーは判断理由を自分の言葉で『説明』する責任がある。もちろん中間管理職で、必ずしもその決定が自分自身によるものではないということもあるでしょう。でも、そこで説明に窮すようなら、より上位のリーダーに納得できるまで『問う』責任がある。そういうリーダーシップは、チーム全員が役職の有無にかかわらず持っていてほしいですし、自分自身も常に戒めています」

20代の言葉としては早熟にも映るかもしれない。だが、聞きかじってきた「リーダー論」ではない。

フリンジハチイチの子会社として、ユニポスが設立されたのは2017年。当初は10人ほどのチームだったが、現在の社員数は約80人にのぼる。突然、「経営判断」を迫られるようになった斉藤氏は、その責任を果たすためにどう行動するべきか、内省を続けてきた。

そもそも、最初に事業化を決断したのは、フリンジハチイチの田中社長だ。だが、自分が始めたわけではない物語の中にあっても、斉藤氏は与えられた役割を演じるだけの「名ばかりリーダー」になるのは嫌だった。

「自分の言葉で語れないと、人はついてこない。だから、自分の中にある疑問はまずすべて田中にぶつけて、(テニス練習の)壁打ちをするようにして『自分としての判断』にたどり着いた。それを、週に1度以上は全員の前で説明するという場をつくりました」

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