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河合塾の国公立大2020年度入試難易予想一覧では、東大の偏差値は理科3類(医学部系)72.5。それ以外はすべて67.5。京大は医学部が72.5。それ以外の単純平均は65.2だった。

対して、河合塾が運営するサイト「河合塾 医進塾」によれば、2019年度の国公立大学医学部の入試偏差値は一部県民枠で60.0という場合もあるが、ほとんどが65~67.5だった。偏差値70以上だったのが、旭川医科(後期)、東京(前期)、東京医科歯科(前期)、岐阜(後期)、京都(前期)、大阪(前期)、大阪市立(前期)、奈良県立医科(後期)、宮崎(後期)である。東大・京大の一般的な入試の難易度と同等かそれ以上なのである。

地方によって国公立大学医学部の間口に大きな格差

当然ながら、東大合格者の出身高校は首都圏に偏り、京大合格者の出身高校は近畿圏に偏る。全国の高校における最難関大学進学実績を比較するのならば、入試難易度において東大・京大と同等か、それ以上に位置する国公立大学医学部への合格実績も比較しないとフェアではないだろう。そこで今回は国公立大学医学部の合格者数による高校別ランキングを掲載する。

ただし、国公立大学医学部合格者数にも地域による偏りがある。次ページから実際にランキングを掲載するが、一見して分かるのは西高東低であることだ。圧倒的に西日本の学校が上位を占めているのだ。これにも実は理由がある。

全国に50ある国公立大学医学部を都道府県別に地図にプロットしたものを見てほしい(図)。地理的には全国にまんべんなく散らばっているかのようだ。しかし、都道府県別の人口分布を意識しながら見てみると、偏りがあることがわかる。

関東地方(東京・神奈川・埼玉・群馬・栃木・茨城・千葉)の総人口約4300万人に対して国公立大学医学部は6。近畿地方(京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重)の総人口約2250万人に対して国公立大学医学部は9。さらに九州地方の総人口約1450万人に対して国公立大学医学部は8。

国公立大学医学部の毎年の募集定員はどこもだいたい100~130人で大差はない。つまり、人口当たりの医学部定員数を比べると、関東地方と近畿地方では3倍近い差があり、関東地方と九州地方では4倍近い差があるのだ。関東地方ではそれだけ国公立大学医学部の間口が狭いわけである。その分、私立大学医学部は関東地方に多い。

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