リモートワークは優しい? 「効率的」の先の落とし穴
20代から考える出世戦略(87)

写真はイメージ =PIXTA
リモートワークをしてみたら通勤がないし、電話応対やちょっとした声掛けへの対応も減って、効率的に働くことができた。これからはリモートが当然の時代だ!と考える人が増えています。もちろん会社もそのことは理解していて、リモートワークを基本にする会社も出てきています。でも、リモートワークを優しいだけの仕組みだと考えていると、とんでもない落とし穴が待っているかもしれません。
通勤がなくなることのメリットはとても大きかった
強制的なリモートワークの促進は、それまで多くの識者が可能性を示しつつも実現できなかった、通勤ラッシュを大幅に削減しました。その状況は鉄道会社の示すデータからも読み取れます。
たとえばJR東日本は、2020年5月22日から列車混雑状況の情報提供サイトで、6段階で混雑状況情報を提供しています。対象路線は東海道線(川崎~品川間)、総武線各駅停車(錦糸町~両国間)、中央線(快速)(中野~新宿間)、中央線各駅停車(代々木~千駄ケ谷間)、京浜東北線(大井町~品川間)などの13区間です。混雑状況は「かなり混みあっています」を最上位として、「肩がふれあう程度です」「すこし混みあっています」「ゆったり立てる程度です」「座席に座れる程度です」「座席に余裕があります」の6段階で示しています。
こちらのデータを見ると、6月8~14日の1週間では、最も混雑している状況を示す「かなり混みあっています」というデータは総武線快速平日上りの6:30~6:59のみです。
その次の「肩がふれあう程度です」という状況は、主に平日上りの6:30~7:29前後で複数の路線で多少あります。
けれども、横須賀線、総武線各駅停車、中央線各駅停車、京浜東北線、常磐線(快速)、宇都宮線・高崎線、京葉線では通勤時間帯でも4段階目の「少し混みあっている程度です」以下の状況です。
痛勤とも言われた満員電車の状況は、一時的かもしれませんが、現時点では大きく改善しています。