在宅では見えづらいチーム目標 雑談で「個人」感じて
オンライン時代のマネジメント術(上) オイシックス・ラ・大地 人材企画室室長 三浦孝文氏
また、オンライン中心になると、日々の業務でコミュニケーションをとる人が固定化されるような傾向も出てきます。オフィスに出社していたときのような、会議終了後にメンバーと一緒に自席に戻るまでの時間で話すような他愛のない話や、他チームの人との偶然の出会いから起こる雑談が減ってしまうからです。目的やチームを越えた偶然の雑談、出会いをオンラインでもうまく作っていくことも必要になります。
弊社では、チームを超えて「オンラインZoomランチ&飲み会」を企画したり、毎週金曜日の夕方の終業時間直前に「週末雑談」なる20分ほどの出入り自由な雑談空間をオンライン上に設けたりする、といった取り組みをしています。
自分のチームのマネジメントだけではなく、他チームとの連携も日々のコミュニケーションがあるかどうかで変わってきますから、ちょっとした関係性を作るこのような取り組みを行うことは、チームマネジメントをする上では重要だと考えています。
オープンな空間でのコミュニケーションを
物理的にオフィスに出社していたときは、チームでのミーティングやディスカッションの時間内でも、その都度自分が発信したことをチーム全員で感じられる時間や場がありました。オンライン環境においては、ともすれば個人同士のチャットなどで話して完結することも可能で、出社するときと違い、他メンバーがその場の空気を察知したり、感じたりすることが少なくなってしまいます。
テキストには情報はありますが、温度感がわかりにくい。だからこそ、個人的にSlackなどのチャットを活用する際も、メンバーの投稿にはスタンプで反応したり、オンラインミーティングや直接会った際にきちんと反応を返したりするようにしています。また、情報も個別に送るのではなくできるだけチーム全員が把握できるような「オープンな場で送ること」を意識して、必要な対象には「@」をつけるなど、議論が共有できるように心がけています。
「あの人には送られているが、私には送られていない」「あの人は言われたが、私は言われていない」ということが起こらないように、チーム内の情報の濃度をできるだけ均一に上げていく。チームマネジメントにおいては、情報のバランスが非常に大切だと思います。
リモート中心の仕事になってからというもの、ついつい仕事をしすぎてしまったり、オフになる瞬間が少なくなったり、という声をメンバーから聞くことがあります。在宅の環境下では、メンバーそれぞれに就業環境の前提が変わります。育児や介護などに向き合いながら仕事をしているメンバーもいます。いざというときのために、チームの中に余白を残しておくことが大切です。余白と言っても、ただチーム内の戦力を余らせるという意味ではありません。