大谷選手も実践、目標は書いて明確に 教育現場が原点
『書いて鍛えて強くなる!原田式メンタル教育』
実は私はかなり長い間、「自分が一番速く走っている姿をイメージしろ」と言って子どもたちを指導していました。ところが、ただ思い浮かべるだけでは、毎回、微妙にイメージがズレてしまい、どうしても効果が持続しません。
どの生徒にも等しくイメージを強烈に意識させる方法はないか――。
そう考えた結果、たどり着いたのが「書く」ことだったのです。
目標が文字という目に見える形で捉えられるようになると、自分が目指すゴールの「イメージ」がどんどん明確に、そして具体的になってきます。松虫中で日本一を達成するなど、好成績を残してきた生徒たちも、「目標設定用紙」に書いて書いて書きまくり、目標の明確化を図ったのです。
(第2章 子どもたちの心をつくる 54~55ページ)
どの生徒にも等しくイメージを強烈に意識させる方法はないか――。
そう考えた結果、たどり着いたのが「書く」ことだったのです。
目標が文字という目に見える形で捉えられるようになると、自分が目指すゴールの「イメージ」がどんどん明確に、そして具体的になってきます。松虫中で日本一を達成するなど、好成績を残してきた生徒たちも、「目標設定用紙」に書いて書いて書きまくり、目標の明確化を図ったのです。
(第2章 子どもたちの心をつくる 54~55ページ)
行動をサイクルにして習慣化
原田式がユニークなのは、書くスキルを高めるツールとして「目標設定用紙」を使う点です。1枚の縦長の紙に書き込む欄が数多くもうけてあり、何をどこに書けばよいかがフォーマット化されています。使用する目的に合わせて「長期間目標設定用紙」や「大会目標設定用紙」などいくつかのバリエーションがあります。
大会用を例にとりましょう。競技に関する目標のスペースは(1)最高の目標(2)中間の目標(3)絶対できる目標――という具合に分けてあります。その下には、目標を達成するために過去の試合や練習を振り返る欄が並んでいます。
抽象的な表現を避け、なるべく具体的に書くことが重要です。「成功した試合の心・技・体それぞれの状態」「失敗した試合の状態」「大会までの練習内容」「生活態度で重視すること」と言った具合に、すべてを簡潔かつ具体的に書き込むよう生徒を指導します。
この方法の優れている点は、書きながら自分の頭の中が整理されていくこと。過去に書いたものと比較できるので改善に役立つし、優れた成績を残した生徒の書いたものを読むことで参考にもなります。それにより弱みを切り捨て、強みをさらに伸ばすのです。
「書くこと」は何回も反復してトレーニングします。そして、毎回、振り返りや検証などなんらかのアクションをします。ビジネスのマネジメント手法であるPDSサイクル(Plan計画→Do実行→See検証)の応用で、PCDSSのサイクルという5ステップの繰り返しを通して指導します。
一般的に良いとされていたのは、PDS3つを回すことでしたが、私の指導は、「(1)心を遣う―Plan(目標設定)→(2)心をきれいにする―Check(態度教育)→(3)心を強くする―Do(できることの継続)→(4)心を整理する―See(結果の考察)→(5)心を広げる―Share(知識の蓄積と共有)」というPCDSSの繰り返しでした。
(第1章 普通の子が一番になる 47ページ)
(第1章 普通の子が一番になる 47ページ)
この練習を続けることで、子どもたちが練習を自主的にこなすようになったといいます。