変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

藤本翔社長から一言

2017年の創業以来、フルリモートワークを導入し、オフィスは持たずにきました。絵画を保管する倉庫への投資が先行し、オフィスにお金をかける余裕がなかったからです。

そんななか、6月、京都市の中心部に、3階建ての倉庫兼オフィスをオープンしました。ウィズコロナ時代に世の中と完全に逆張りです。オフィスを構えた理由は、創業期からフルリモートを続けてきた経験に基づいて、リモートを続けながら時々はリアルで会うと、生産性が大幅に上がることが分かったからです。

例えば、リモートの場合、誰かに連絡しても返事が来るまでに時間がかかることもあり、それが積み重なるとストレスがたまる。オフィスへたまに出社し打ち合せをするとなると、わざわざそれなりの距離を移動してくるので、「時間を無駄にしたくない」と互いに考え、生産的な議論につながりやすいという利点があります。

藤本翔社長が率いるカシエは6月、京都市にオフィスを構えた

藤本翔社長が率いるカシエは6月、京都市にオフィスを構えた

打ち合わせで決まったことを、皆がリモート環境に持ち帰り、再び集中して作業を進めることによって、アウトプットが高まる傾向もあります。必ずしも毎日は一緒にいないからこそ、たまにリアルで会ったときの生産性がさらに高まると感じています。従来、オフィスは「仕事をしに行く場」とみなされてきましたが、当社のオフィスはあくまで「コミュニケーションを取りに行く場」と位置づけています。

最近は「フルリモート可」の求人案件に注目が集まっているせいか、当社への入社希望も大幅に増えています。通常は1カ月に20人程度だった応募数が4月は200人を超え、2月時点で18人だった従業員数は現在、約40人にまで増えました。

コロナで仕事を失った人のほか、毎日出社する従来の働き方に疑問を感じる人など、関東、関西を中心に全国から多様な人材が応募してくれています。今後は、リモートワークが定着した組織をもっと強くするべく、コミュニケーションの場としてのオフィスも有効に活用しつつ、さらなる成長を目指していきたいと思っています。

(日経キャリアNET編集チーム 宮下奈緒子)

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