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これらの変化割合を20年、21年に仮置きしてみると、役職者と一般社員の年収の変化を次のグラフで示すことができます。下がった割合が役職者と一般社員とで異なるのは、年収に占める賞与割合が異なることの影響です。

特にリーマン・ショック後2年目の2010年時に起きた賞与11%減少が、年収に大きな影響を与えていることがわかります。

まとめると、所定内給与は大きく変動しませんが、残業代などの所定外給与がまず減少し、次に賞与が大幅に減るということがわかります。

給与明細の基本給に着目する

就職活動や転職活動をする際に、多くの人は年収を意識していることでしょう。ビジネス誌でも企業ごとの年収比較特集の際には売れ行きが良いという話を聞きます。

しかし日本の法律の特性を考えると、意識すべきは月給額であることがわかります。特に残業代を加味しない、所定内給与としての基本給額が最も重要なのです。なぜなら、会社が必ず支給しなければいけないのはその金額だけだからです。

所定外給与となる残業代は、残業をしなければ支給されません。各種手当類についていきなり廃止することは難しいのですが、減額などができないわけではありません。そして賞与は極端な話、業績が極端に悪化した際には支給しない場合すらあるのです。

もしあなたが今いる会社に残るべきか転職すべきかを考えているとすれば、給与の支給明細を確認してみることをお勧めします。

シンプルに、基本給欄に記されている数字。それを12倍してみて、それだけで生活ができるかどうかを考えてみてください。もしそれが難しいと思うようであれば、転職を考えてみてもよいかもしれません。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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