地頭力を鍛える思考スキル 東大生がわかりやすく伝授
リブロ汐留シオサイト店
原因思考は物事をすべて結果ととらえ、その原因は何かを知ろうとする思考法。原因を知ることで物事が関連づけられ、丸暗記せずに多くのことを覚えておけるようになる。上流思考は原因と結果より前に、そもそも何があるのかを探る思考法で、背景まで知ることで話を簡単に要約できるようになる。このように5つの思考法を相互につなげ、日常の解像度を高めて、あらゆる局面を学びにつなげることで、問題を解決できる思考力が高まっていくと著者は書く。
欄外を活用して、ちょっとした思考法の練習問題を入れたり、思考法を鍛えるのに適した本のブックガイドが本文に合わせて紹介されていたり、参考書と問題集を合わせたような、きめ細かい編集になっている。仕事を始めたばかりの人や、仕事で考えがまとまらなかったり、アイデアが出なくて困っていたりする人には、自分の思考習慣を見直すきっかけになるうえ、もう一歩進んだ学びにつなげていける一冊だ。「このところ大きく売れる本が出ていないが、この本は2週続けてベストテンに入ったので注目している」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。
アフターデジタルの続編が1位
それでは、先週のランキングを見ておこう。
同数の1位に2冊。1冊は前回の記事「アフターデジタルに続編 日本企業が見落とす視点提示」で紹介したアフターデジタル時代の企業変革を説いた本だ。もう一冊は脳科学者が日本人の心性と強みを読み解いた新書。突出した売れ筋がなく、さらに8冊が同数の3位に並ぶ。アフターコロナを読み解く本や池上彰氏の教養書などに交じって、今回紹介した本が入った。先々週のランキングでも3位だったという。
(水柿武志)